あいづ・そうかつ・その2

 寒かった。
 でも、2日共全然降られないどころか、物凄いいい天気で。まあ私が晴れ女(予報バッチリ大雨の巨人戦in浜スタをピーカンにした前科あり)なのかもしれないけど、お天気の方も予想より降り出しが2日ばかり遅れた感じでしたね。しかも、出発した23日は東京の方が「冷たい雨」だったとか。家を出た時はまだ降ってませんでしたが、どうだったのでしょう。
 車窓から、絵に描いたような「日本の秋」を満喫…
 広い空…
 相方「広いばかりでなく透明度も高かった」
 鮮やかなオレンジの柿の実…
 田んぼ…
 日本にもこういうところがあったんだー、いや、ホントはこういうところの方がまだ多いんだろうけど、都会モンとしては感動でした。
 あれにくらべたら東京の空なんて空じゃないね、天井だね。
 しっかし、線路沿いの数メートル四方の畑なんて、誰が手入れしてんだろ?って、あるんだから誰かが作ってるんでしょうが…それに電車も1時間に1本もないし。
 そう!
 電車がない!!!!!!!!!
 出発1週間前に5時間もウンウン悩んで行程表を作っていたのは、この電車のなさのせい。
 折角会津に行くのだから、喜多方にも行って大好きな喜多方ラーメンを現地で食べたい!
 しかし、私はこの旅行を決めるまで、喜多方は会津若松の駅から行けると思っていた。恐ろしい地理知識の欠如(未だに日本の80%の県の位置がわからない)。
 喜多方とは、JR磐越西線会津若松の2駅先なんですね。20分弱かかる(この、2駅で20分弱ってのも東京にいると想像がつかない…)。
 で、この、会津若松〜喜多方間の電車が、1時間に1本どころかせいぜいあっても2時間に1本。
 相方「どローカルもローカルな電車だもん」
 採算は取れないだろう。でもなくすわけにもいかないだろう。って、既にそういうことで三セクになった鉄道を経て、西若松からJR只見線に入って会津まで行くのでした。(この辺の野岩鉄道とかJRの色々細かい変遷、運行状況etc.はマニアの方にお任せしますのでツッコまないで下さい。私はあくまで突如「会津に行きたい!」と思い立って、地下鉄の吊り広告で見ていた東武トラベルに電話1本で「たびきっぷ」を送ってもらってピューでしたので。)
 まそれはともかく。時刻表を見て、余りにスッカスカの誌面に、
「ヒィィ――――――!!!!(((((・Д・;;;)))」<梅図かずおよりは荒木飛呂彦風に
(これ以前もこれからも、えー、都会モンの勝手な驚愕と感動でお送りしますのでそのあたりよろしくお願いします)
 不便だとか困るとかでなく、もう、恐怖。
 ビッチリ埋まってない時刻表を見るのは、恐怖です。
 「時間はあるのに、行きたいところに行けない」ということが、実際つきつけられてみるとこんなに怖いとは…。うん。怖いですよこれは(あくまで私の方がおかしいんですがね)。
 私の生まれ育った東京の地下鉄は、朝のラッシュ時だと、空いてもせいぜい6、7分毎に来ます。それでも本当は3分とか5分おきに来て欲しいぐらいです。そしてみんな、乗換駅どころか降りる前のドアの内側でポジション取りに勤しみ、降りた瞬間からダッシュしてエスカレーターの右側の列でまたポジション取り。そうしないと、乗換駅で少しずつ遅れていくことによって、最寄駅で次の次ぐらいの電車に乗ったのと同じになってしまうからです。余りに本数が多い故に、こんなヘンな意地を張り続けなければいけないのです。
 まあ最近は、特に半蔵門線なんて東武に乗り入れた分、朝は東武からの電車が遅れてしょっちゅう半蔵門線内で遅れますが(押上駅の次から地上を走っているので、霧だの風だの、半蔵門線オンリー時代にはありえなかった迷惑が!)。
「ただいま8分ほど遅れて運行しております。お忙しい中に皆様には大変ご迷惑をおかけ致しております。」
が、どこかの時点から遅れてようが、元々本数が多いので、結果的にはほぼ時刻表通りに来ていて、見た目の遅れは、あってもせいぜい2、3分。要は、間隔が変わらないし、そういうように一生懸命運行しているのだと思う。しかも、私のように1つの電車に10分ぐらいしか乗らない人間には、電車が来さえすれば遅れなど何の関係もない。こうした「遅れ」を実感できるのは、半蔵門線なら乗り入れている東武の駅、田園都市線の駅、日比谷線なら同じく乗り入れている東武の遠い駅とかから、つまりよっぽどいわゆる郊外のベッドタウンから来ている人で、彼らは、「着く頃にはすんごい遅れてた」ということになる。同じことは、JRだったら京浜東北線で大宮辺りの一軒家持ちの人にはしょっちゅうある。えんえん乗ってきて、品川や東京あたりで、予定より20分30分の遅れになる。私はこの電車にも昔通勤で1駅だけ乗っていたが、いつも物凄いラッシュで、時々大井町の駅では、階段の上にロープを張って進入制限していたぐらい。
 逆に、ローカルな、2、3時間に1本とか、「3本線」(1日に3本しかない路線)なんかの、「遅れ」「中止」というのは、想像もつきませんが…(只見線は雪だとまずいので冬季ダイヤがあるそうで…)
 …で。
 先に喜多方に行くか?はてまたその前に、逆に会津若松の手前の七日町か西若松で途中下車してしまうか?
 何故かというと、丸1日かけても若松市内の主な名所を全部回るというのは無理そうだから。実際に滞在するのは2日に亘って半日ずつ。となると、鶴ヶ城斎藤一の墓は外せない。鶴ヶ城の最寄駅は実は西若松、お墓のある阿弥陀寺は七日町の駅前。どちらかで途中下車して喜多方に向かう、あるいは涙を呑んで喜多方を外す、etcetc、いくつものプランを時刻表と首っ引きで検討。
 …その挙句、休祝日は、「乗ってきた電車が喜多方まで延長運行する」ことにやっと気づいた(笑)。よく見たら旅行会社から送られてきたパンフレットのモデルコースに載っているのも、同じ電車でした。…つかスペーシアの新宿発か浅草発で、その先の接続を考えると、結局数本しかないんだよね。
 というわけで、先にとにかく後悔のないように喜多方に行ってしまえ!
 喜多方から若松に戻る電車も2、3時間に1本だがな!!
 ラーメンが待っているんだイェイ!!(死語)
 西若松も七日町も、「えっ??」と思うほど小さい駅。会津若松すら、東京モンのイメージする「観光地」の駅とは全く違った…小さい。
 ともあれ、会津若松から喜多方観光に向かうお客さんも結構乗ってきて、喜多方へ。
 (つづく)