体験入院?の感想

 こう言っちゃなんだが(特に、心配かけた旦那には)、今回のは、その産院で産むつもりだったので、「先に体験してみよう」みたいなところもあり…
 第一の目的は、「安静を保ち、とにかく夜寝られるようにする」ということで、それが赤ちゃんを産んだ人と一緒の部屋では意味がない。よって個室。
 高かった。
 普通、入院というのは、約8,000円のうち、健康保険でその3割を負担する。が、個室だと「差額ベッド代」が
16,000円!!!!!!!!!!
 確かこの差額ベッド代っていうのは病院によって設定に幅があるもんだけど…高くないかココ?(ちなみに、「同意書が必要なので…」ということで同意書にサインした)
 だから、元々の自己負担分と、16,000円に食事代(1食260円)を加えると、1泊、20,000円弱。
 しかも、病院における「1日」とは、「午前0時〜午後11時59分」。私の入院は金曜の午後から、退院は原則午前中なので日曜の午前中。2泊3日とはいえ実質2日間しかいなかったが、3日分取られて60,000円チョイ。(つまり、基準が「午前0時」だから、もしお産で夜中に産気づいたら、どこの病院でも、意地でも「0時0分」まで待って入院すべしということだ)
 その個室はユニットバス、トイレ、冷蔵庫にキッチン、洗髪もできる洗面台、TV(無料、インターネット機能つき)と、ビジネスホテル並み。だから、「ビジネスホテルにしちゃ高い」と取るか、「高級旅館だったら同じ値段で食事は2食だしな」と考えるべきか、微妙なところだった。でもやっぱ高いか。差額がひどすぎるな。
 (ちなみに、妊娠関連の入院だとまず民間の医療保険はきかないため、今回も、一銭も返って来ないだろう)
 産婦と一緒が嫌、というのは、勿論、単純に赤ちゃんがうるさいだけでなく、「出産で入院しているわけでもないのに母子の姿なんぞ見たくない」というのが先。
 私はまだかなりユルい入院だったが、流産の処置のために入院した人や、婦人科の病気で入院した人では、幸せ一杯の母子と同じ部屋になってしまって辛い体験をした人も多いのではないだろうか。
 そもそも日本の病院の産科というのは、幸せ妊婦vだろうが流産の処置だろうが不妊治療だろうが同じ待合室、という、欧米では考えられないような非人間的なものである。これは何とかならないものか。「産科」と「婦人科」を近代医学導入時から分けられなかった=未だに「産婦人科」である。「産科」と「婦人科」は人によって全く意味が異なるのに=ことには、「西洋医学」の多くを「産科医学」として持ち込んだ、うちのご先祖様にも責任があるようなのだが。正常産を扱う「産婆」の技術が非常に発達していたわが国では、「産婦人科医」というものの出現時にはもっと慎重に分けて考えるべきであったような気がする。
 ただ、この問題は西洋でも似ていて、中世の「魔女狩り」の犠牲になった女性には、普段のほんの些細な行動から(独身、猫を飼っているなど)「魔女だ」というタレコミを受けた人だけでなく、産婆も兼ねた民間の女性治療師も含まれていたといい、「魔女狩り」とは産婆から男性外科医へと、お産の現場が移行していった過程だという説もある。
 (ちなみに、江戸時代から女医であったイネちゃんは、医師免許というシステムができた時には既に高齢で、死ぬまで公式には「産婆」の資格しか持てなかった。故に日本での「公式な」「女医」第一号は荻野吟子、但し、存在としての女医一号はイネちゃんである。彼女を堂々と「産婆」と書いた某シーボルトの伝記=外国人だが=には断固抗議したい)
 話がずれた。
 で、「美味い」と評判の食事だが…
 まあ、「病院にしちゃ」という感じ(笑)。あ、でも、食器がプラスチックじゃなくてちゃんと陶器だったし、お椀系は黒いプラスチック。あと、「病院でなければありえないヘンな料理」もなかった。全体に、期待してた分の80%ぐらいだから、確かに悪くはない。
 でも、私の口には味付けが合わない、というものはあった。「和え物」がそうで、使われている材料はヘルシーだし組み合わせもいいのだろうが、同じ材料で、家では違う味付けをするなあ、自分の味付けなら食べられるのになあ…と思った。
 ただ、美味しかったのは味噌汁。何でそう感じたかというと、「味がある」から(笑)。我が家の食事はほとんど「塩抜き」というぐらいで、既製品(レトルトや市販のパスタソースなど)以外は超薄味。よくこれで旦那も耐えているなあと思うほど。いやぁ、久々にまともな味の味噌汁飲んだなぁ(笑)。
 しかし、病院食も昔に比べれば少しは進歩しているのだろう。大病院でもそんなに不味くはないと思いたい(恐らく大学病院に転院することになるので)。10年以上前に大学病院に入院した時は、「腎・糖尿内科」の病棟で、多分塩分制限があったのか、激マズだった。糖尿で入院している人には更にカロリー制限もあり、1日1,200kcalほど。あれはきつそうだった。
 私より入院生活のベテランという人も多いだろうから、食事についてはこれ以上の批評は差し控える。