小泉森枝ヒューリックペリー

 ・小泉武夫『発酵する夜』(新潮社)
 一昨日の夜、とうとう寝る前に布団の中で読了。この、「布団の中のお楽しみ」が毎晩いかんのよね。寝付けなくなる。
 ・森枝卓士『アジア菜食紀行』(講談社現代新書)
 昨日から今日にかけて、初・森枝(いや、昔カレーの展示をした時に、『カレーライスと日本人』は読んだかなあ…)。
 悪かないけど、ところどころ鼻につく文体だねえ。
 ・R.ファン・ヒューリック、和邇桃子訳『北雪の釘』(ポケミス)
 昨日のんびりと職安で読む。
 これは以前三省堂から出ていた(現在絶版)の『中国鉄釘殺人事件』(松平いを子訳)の新版。このシリーズについては以前ブログに何か書いたはず。作者の凄さについてはもう言葉にはし尽くせないし、ご先祖様関連でもちとかかわりがある。
 このシリーズ、以前に三省堂で5冊出て以来邦訳がストップしていたのだが、これを10年近くかかって古書で集め、更にポケミスで邦訳が再開されて以来欠かさず買っていた。が、今回は改訳ということで様子見で借りてみた。解説がこちらの版も結構詳しいので食指が動いてしまった。買うかなあ。
 あと、和邇さんが痛々しいまでに松平さんをリコメンドしているのは、旧版の熱狂的ファンでもいるのだろうか…。
 最後に一つ。このポケミスのシリーズ、素直に原題通りの邦題にしないとそろそろきついんじゃないだろうか。『南海の金鈴』とか『紅楼の悪夢』とか、凝った邦題にしちゃって、今回の『北雪の釘』なんかは明らかに苦しい。現代はThe Chinese Nail Murdersという風に、モチーフになるものを挙げて「The Chinese〜Murders」で統一されているのだから、そのままにしとけばよかったのに。
 ・アン・ペリー、富永和子訳『十六歳の闇』(集英社文庫)。
 昨日からでまだ途中。作品数は多いのにまだまだ邦訳が進んでいない人。
 ちなみに、この作者自身殺人者!というトンデモシリーズでもある。ピーター・ジャクソン監督(!)「乙女の祈り」(ケイト・ウィンスレット(!)主演)のモデルになった、相手の母親をレンガで叩き殺したレズビアン少女カップルの片割れ。相手とは二度と会わないという条件でイギリスに送還され、暫くは素性を隠していたが露見、今は推理作家。小説より奇なる人生。