ぜいぜいぜい

 大人買いならぬ大人払いをした。
 分割払いにしたところでいずれは全額払わねばならず、さりとて一括払いしても割引にはならないもの。
 税金である。
 6月は税金の季節なのである。
 自動車税は今月初めに既に払った。
 そしてやや遅れて納付書が数日前に届いた、固定資産税と住民税を今日、バーンと払ってきたのである。どうだ参ったか政府。
 しかし。
 送られてきた納付書を見た時は、二連続で目が点になった。
 まず、固定資産税。住んでいる家と土地にかかるのだが、建物が新築されて3年が過ぎた今年度から減免措置がなくなり(減額措置はちょっと残っている)、ざっと7倍になっていた。
 「目を疑う」とは正にこのことである。うっかり素直に払ってしまって実は額面が間違っていたら大変なので、明細書と、一緒に封筒に入っていた説明書を首っ引きで相方に確認してもらった。…えんえんと計算したのち、残念ながら間違っていないことが判明した。どころか、1円単位は切り捨ててくれている(昔、消費税導入当初の東京ディズニーランドもそうだったのになあ…今は内税でむしろぼったくっている)。そういえば、算出するための計算は凄く複雑なのに、実は税金ってキリのいい数字のことが多いのはそのせいか。となれば、「ははあ」とお支払いするしかない。
 それにしたって、自分がした高い買い物にどうしてこんなに高い税金を払わねばならんのだろう。正に財産税。平安の昔から、土地は三世一身の法である。
 更なる問題は住民税。
 派遣社員なので移動が激しいという設定のもと、給与天引きでなく、前年の年末調整に基づいて税額が計算され、毎年6月に一括して払ってきた。今年は昨年の分。仕事は辞めたが来年は今年の分を払うことになる。
 で、これも、になっていた。
 思わず、17時を過ぎているというのに区役所のしかるべき部署に電話してみてから、私は4月に仕事をやめて「住民税増税ぎりぎり逃げ」できたわけではなく、既に今年度支払うべき分から、国から自治体への税源移譲によって税額が倍になっていることが判明。このへんのことも、同封の説明書に書いてあったのだった。電話してすぐ、「住民税の明細のことでしょうか?」と言われたので、職員も残業して対応しているのだろう(どうせその残業代も我々の税金だが)。
 しかし。
 純粋な増税にならないように、今年1月から、所得税の減税がセットになっていて税額は変わらない(私は月給が余りに安いため、所得税が10%→5%となり、住民税が5%→一律10%)とはいえ、私は5月以降働いていないので、その、所得税減税の方の恩恵はほとんど受けていない。
 そのことを伝えると、私のように減税の方の恩恵を受けていない人は、来年の7月中にその旨申し出れば、住民税が減額され、今年の税金の半分ぐらいは戻ってくるそうだ。つまり、手続きをしないと取られ損で、正に増税ということになるのだが。来年6月に、今年1〜4月の収入を基に算出された納付書が来たら、忘れずに申告しに行かなくてはならないのである。
 しかしいずれにせよ、こうした申し出が可能であること自体、私のように勇んで電話しないで、今年退職したのに「あ、倍になるってこのことね〜」と素直に受け取った人は知らないはずである。HPを検索してみても、こんなことひとっことも書いてないぞ。払う方は、コンビニでも払えるとか色々宣伝しておいて(口座振替なんてのは最も悪質だ)、取り返す方については全く宣伝しない、これがいつものお上のやり方である。
 とりあえずは、今年の源泉徴収票を派遣会社に近々発行してもらい、今年度末には確定申告に行かねばならぬ。この確定申告も、更なる更なる問題「定率減税の廃止」で、かなり怖いことになりそうだが。そしてその上で来年7月は、今年5月から12月の減税を受けてないよ、と訴えることにしよう。
 ちなみに、今日まとめて支払ったのは、約20万円。
 私の派遣社員時代の月給以上の金が一瞬でスッ飛んで行ったのである。
 偶然だけれども、私が仕事を辞めて正に(私には元々ボーナスがないので、ボーナスを除いた家計の)収入が半分になった直後からこういう風に減免が消えたり制度が変わったりするってのも…
 ここに、今月は更に車検の10数万円が加わり、更には親戚が結婚するそのご祝儀10万円を含めると…
 あれ???相方の夏のボーナスはどこに???????