西太后死去

 偶々昔観てましてねー、藤間紫さん主演の「西太后」。あれ密かに再演しないかなーと思ってるうちに先日亡くなられてしまいました。
 その「西太后」の演出は無論というべきか猿之助さんでして。猿之助丈曰く、「日本でただ一人女形の演技ができる女優さん」だそうで。まあ確かにスケールの大きい舞台ではありましたね。チケット高かったけど後悔してません。
 あとは村井国夫さんとかかなり大物が出てて、光緒帝が篠井英介さんだったんですが、あん時も噛んでたなー(笑)。この人、私が観た舞台で必ず一回は噛むんですが何かの縁でしょうか(笑)。
 その、紫さんのお葬式に、香川照之さんもお見えだったとさっきワイドショーで観て、何やら私もホッとしているところ。大好きなんですよ香川さん。彼こそ日本一の俳優だと思ってます。彼から見れば紫さんは、母親(浜木綿子さん)から父親を奪った相手。まあ今でもわだかまりがないわけはないんですが、こういう節目の時には出席できるぐらいには父子の関係が何となく練れているのならいいかなと。というか…この人頭良すぎるからな(笑)。父親の方からも一応お知らせは出す、息子もわざわざ欠席して話題になるぐらいなら向こうにいい顔させてやるか、ぐらいのことは考えるでしょう。
 未だに「鬼が来た!(鬼子来了)」は、重い話なので見る気になれないでいるのですが(これ、秦太様が絶賛してましたね)、日本じゃさっぱり話題にならないですが、こういう重くたって事実な映画こそ本当は観なくちゃいけないんだ。さんざん私が宣伝してる「プライド 運命の瞬間(とき)」とかね。で、この「鬼が来た!」もパルムドールですか。「さらば、わが愛」といい、中国ものってカンヌに強いねー(笑)。
 香川さんの、『キネ旬』連載の「日本魅録」は単行本になってて、「鬼が来た!」の撮影日記は『中国魅録』という本になっていて、こないだ図書館で見かけまして…字がぎっしりの本だったんで躊躇って(笑)しまったのですが、気が向いたら読むかもしれません。
 「ゆれる」は、オダギリオダギリ言われてますがあれは香川照之の映画です。オダギリオダギリ言うたら香川さんに失礼です。勿論オダギリも負けてはいないのですが、圧倒的に香川さんがうますぎです。あと、ブレイク前の真木よう子嬢が、田舎で田舎者の兄弟両方にモテるぐらいでいい気になっている勘違い女をうまく演じてます(笑)。割とおすすめな映画です。
 ちなみに、「三越カルチャースクール」で日本舞踊を習うと、紫さんの孫弟子になります。担当の先生が藤間流紫派なので。