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イコン (講談社文庫) | |
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裏表紙のあらすじには安積のあの字もなく、あれ、安積班シリーズだから借りたはずなのになあ…と思ってたら、ちゃんと登場しましたあの面々。偶々最初の殺人現場に居合わせた、本庁の生活安全課・宇津木さんと安積ハンチョウチームの半々というところ。
今から10年以上前の作品なので、ヴァーチャルワールドと言ってもまだパソコン通信の話。しかし恐ろしさはもう当時から今のネット社会と変わらない。
ヴァーチャルという、「大人」には理解できない世界(30代の私にだって既に理解出来ません)、少年たちと40代の刑事のジェネレーションギャップ、宇津木の家庭の問題、刑事畑と本庁…といった、様々な糸が見事に織り成す物語。
かつ、様々な肉付けを取り払って「連続殺人」として見ても、読み終わってから振り返ると、犯人の手口、動機、ミスリード、全てピタッと収まる所に収まっていたことがわかる。
手堅く、あんまりスキがないように、個人的には思えます。
また、いつものように、安積ハンチョウカッコイイ(笑)。宇津木から見た安積ハンチョウの魅力もまた素晴らしく、ファンには嬉しい限りです。大事なのは仕事か家族か?出世かやりがいか?しかし本当に大事なことは、カッコイイのは、自分がすべきことをすること。そこからにじみ出る満足感と自信。カッコイイ男と、カッコイイチームです。
今回は村雨&桜井コンビは途中からは神南署でお留守番となってしまいますが、それはむしろ信頼の表れなので、シリーズのほかの作品も読んでおくとより納得。黒木&須田コンビ、今回も両方が絶好調。
そしてそして、安積&速水の同期コンビも今回は…あんたら何見せ付けてんの???(笑)というぐらい、熱いですなぁ(笑)。そうかこういう話こそ速水さんなんだな。熱血隊員速水を宥めつつも、安積も結構熱いんですよねー。いやーいい男の世界だー。