伊藤盡『「指輪物語」エルフ語を読む』(青春出版社)
『指輪物語』エルフ語を読む | |
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後半、純粋にエルフ語の解説になると学者さんの面目躍如というところだが、前半、物語の中のエルフ語についての文章は、どうも学者さんらしいというか、日本語がわかりにくいという…
あと、大家に突っ込むのもおこがましいとは思うが、95ページ。ガラドリエルのあるエルフ語について、
「レゴラスは理解できただろうし、もしかしたらアラゴルンも理解できたかもしれない。(後略)」
とあるのだが…
いや、アラゴルンは「もしかしたら」「かもしれない」じゃなくて…できたと思うよ?(笑)
彼はエルフの中で育ったのだから、むしろ、長い間、母語がエルフ語だったのと言っても過言ではないのでは。
更に、個人的には、丁度大体の母語の獲得(ひたすらインプット)を終え、愈々アウトプットしようとする2歳の時に裂け谷に引き取られたということは、言語能力的にはかなりの混乱を起こしたのではないかと思っている。これは実際、今2歳10ヶ月の自分の子を見ていればわかる。子供は、喋らなくても、或いは単語しか喋れない時期でも、大人の喋る母語を結構理解している。そしてある時愈々爆発し、文章を喋り始める。うちのはちょっと遅めで、まだほとんど文章は喋れないが。で、愈々アウトプットしようとしたら周りはエルフ語だったって…大変じゃないか?幼い王の跡継ぎの脳味噌は、さぞや混乱したことだろうと思う。