8/9

ダンディズムの系譜―男が憧れた男たち (新潮選書)
ダンディズムの系譜―男が憧れた男たち (新潮選書)中野 香織

新潮社 2009-02
売り上げランキング : 228788

おすすめ平均 star
star歴史を踏まえた良書
star無題
starますますファンに!

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
 面白かった!が!どこがどういいのか説明している暇はない!(いつもじゃん!)
 歴史上有名な「ダンディ」な人々の解説もあるがウンチクではなく、読みどころは後半から結論部分。ダンディズムの過去・現在・未来を考えることで、現代の男女の問題や社会の問題、自分自身の生き方を考えることについて、こんなにも明快な切り口を見せてくれるとは!
 わかりやすいところで言えば、現代のイギリスダンディとして、執筆時点ではまだ保守党党首だったキャメロン現首相にも言及しているあたり流石。この方、首相になるまでは勿論日本での知名度は低いし、首相になってからも、ファーストレディーの方が、「貴族出身のキャリアウーマンなのに、ユニクロ愛用!」というような採り上げられ方をしていた。しかし、実はこういう奥さんの選び方!もダンディの1つだし、奥様もまた、女性ダンディなのかもしれない。また、このくだり(変わった言動で知られるが実はエリートであるロンドン市長とキャメロン氏をからめて)にある、「金持ちというだけで嫉むのは、拝金主義の裏返しだと(イギリス人が)気づいて」、「上流階級出身だがそれを隠さず、しかしライフスタイルは庶民派」というロンドン市長とキャメロン氏のお蔭で「上流」が素直に受け入れられるようになってきた…という部分、個人的にいいと思う。全くその通り。上流階級というと、イコール苦労がない、と思われるが、上流ゆえの苦労もあると思う。そういえば、このキャメロン氏が採り上げられる時、日本のニュースでよく出てきていた言葉が、「ノーブリス・オブリージェ」。本当は、昔の日本の政治家にもこういう心があった。今ではこれは日本では必ずセレブ(って何だろうねえ)を語る時には欠かせない言葉。この言葉の意味を本当にわかるのは上流だけ。
 そして個人的には、あとがきにある、アカデミズム(東大!)という世界で、「ファッション」を通して文明、男女のあり方、人の生き方を考えるというテーマを成り立たせる、理解を得ることがいかに難しいか(アカデミズムのバカバカしさよ!)、著者はどう今の立ち位置を決めたかが、一応は大学院で趣味でもあり勉強でもあるようなことをやっていた人間としては興味深かった。
ここまでできる頭のいい整理収納術 (講談社プラスアルファ文庫)
ここまでできる頭のいい整理収納術 (講談社プラスアルファ文庫)飯田 久恵

講談社 2001-04
売り上げランキング : 597296

おすすめ平均 star
star頭がスッキリします
star一見の価値あり!
star家族持ちの方は一度手に取ってみては?

Amazonで詳しく見る
by G-Tools