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東京の仕事場
東京の仕事場木内 昇

ギャップ出版 2002-09
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 先ごろ晴れて直木賞作家になられた木内昇さんの、編集者時代のご著書。歯切れのいい取材文です。
 ちなみにこの方、東京は大塚の出身。ということは、あの田村隆一さんと全く同じです。ご両親の東京言葉に大きな影響を受けたそうです。
 ↓2作のみ、文庫になっています。借りて読んで、いつかは手元に置きたいと思っている作品ながら、こうなってみると買いにくくなってしまった。凡百の新選組小説「もどき」と一緒にしてはならぬシリーズ。(斎藤一はこの『青嵐』が個人ベスト。)
 最初に読んだ時にてっきりブログに感想を書いたと思っていたのだが、今検索したら出てこない。こないだ古い記事を整理した時に削除したか…。まあ、言いたいことは全部Amazonレビューに書いてあるからいいか。(わかる人には一発でわかるHNで書いてます)
新選組 幕末の青嵐 (集英社文庫)
新選組 幕末の青嵐 (集英社文庫)木内 昇

集英社 2009-12-16
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地虫鳴く 新選組裏表録 (集英社文庫)
地虫鳴く 新選組裏表録 (集英社文庫)木内 昇

集英社 2010-02-19
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 こうして「集英社文庫」になるまで、『青嵐』はアスコム、『地虫』が河出書房新社、『浮世女房洒落日記』がソニー・マガジンズ。「注目された」という『茗荷谷の猫』も平凡社。「直木賞」までのこの方の扱いが、出版社のラインナップでわかります。所謂「文芸大手」はこの人の作品を「売れる」「いい」と確信しなかったんですね。平凡社も河出も大手は大手ですが、毛色は違うでしょ。こういう例を見ると、「いい作品」「優れた作品」を書くよりも、「わかりやすくて売れそうな作品」を書くことの方が大事になっているという、昨今の間違った風潮がよくわかります。つまり「文芸大手」とやらに、結果的に、見る目がなかったということ。そういうわけなんで、今回のこの方の直木賞には、正に「文芸大手」なるものの鼻を明かしてやったというか、まあ一言で言えば、自分がやったみたいにいい気分…じゃなかった、我が事のように嬉しいのである。どうだ見たか!みたいな。私は知ってたぞ!みたいな。
 そして受賞作は集英社。先行作品の文庫化もここですから、ここだけがこの人を注目してくれていたんだね。有難う集英社
 でもメジャーになっちゃうのは、正直ちょっと淋しいよ。
茗荷谷の猫
茗荷谷の猫木内 昇

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漂砂のうたう
漂砂のうたう木内 昇

集英社 2010-09-24
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 しかし選考委員の某女性作家が、「ペンネームは中性的だが、出てくる男性キャラクターに色気があり、女性の作家とわかった」とかバカなこと言ってるけど、はぁ?ですよ。木内氏の書く男性キャラの色気なんて今に始まったことじゃないし(どうせ選考委員ったって時間は限られてるから、読むのはあくまで候補作であって候補者の先行作品までは読んでないんでしょうな)、それは作者が男でも女でも関係ない。一応作家ともあろう人間がこんなステレオタイプな感想しかまだ持てないの?こんな選考委員なのに、賞がもらえてホントよかったね。危なかった。今回もらわなかったらもうチャンスなかったかも。繰り返すけどこんな選考委員じゃ。逆に、男性作家でも色気のある男性キャラを書くのが作家というものだし、書ける人は多いし、そもそもキャラクターというものに一番必要なのは「可愛げ」と「色気(言うまでもないことですが単に色っぽいという意味ではないですよ)」だと思います。
 何でこれ、2005年に出てるのに図書館にないの???
新・東京の仕事場
新・東京の仕事場木内 昇

平凡社 2005-02
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