シブサワポッター

 澁澤龍彦『人形愛序説』(第三文明社)。タイトルエッセイを含む一章は、私が女だからかもしれないが、ちょっとよくわからなかった。少女とか人形とか、自己愛の象徴には興味はないのだよね。俗物ってことかしら。しかし、後半のエッセイの1つ、翻訳についての考えには同感。「外国語を翻訳した日本語の文章」と「日本語の文章」が違ってはならない、というのは、当たり前なんだけど実践できている人は少ない。翻訳とはカメラのピントを合わせるごとく、原語の意味するところが正確に表現できる日本語が見つかるまでやること。いいですねえ。また、文章は「流れる」のではなく「嵌め込む」だというジャン・コクトー(だっけ?)の言葉に共感していることにも、共感。嵌め込むというと無理矢理とか硬いとか思われるかもしれないが、言いたいことを伝えるには、ある程度の妥協のなさとか、正確さへの拘りは不可欠だと思う。流れるのがいけないというより、「流されてる」のにいい文章のつもりの文章が多いのかもね。反省。
 『ハ○ーポッ○ーと秘○の部○』。何故伏字(笑)マンドレイクの成長の描写がいい(笑)「お互いの鉢に入り込みたがるようになったら」って、キャー!(ポッ)しかしこういうのとか、「にきびができて隠し事をするようになったら思春期」とか、小学生の子にはわからんよねえ(笑)ちなみに、ロンの兄パーシーのくだりで出てくる「Oレベル」というのは日本の子供にはちとわからんネタ。英国の大学入学のための共通試験に「Oレベル」(これは普通レベル)とか色々あるんです。