ドイツりょーり

t_masamune2006-07-11

 残念会…というわけではないが、友人に件の本を返すのを兼ねて、どーせならとドイツ料理を食べに行ってみた。
 実は、前に行ったことのあるお店の本店。お互いの会社の近くで、友人は1本で帰れるので。会社から直接電車で行ってもいいのだが、友人が会社を出るまで時間が余ってるのと、ダイエットのため、六本木ヒルズまで歩いて友人と合流、あとは電車。最寄駅を言えば絶対にわかるお店なので秘密。
 その、前に行ったお店は、お店自体は都会の一軒家風でよかったのだが、結局ドイツ料理というよりは欧風??ぶっちゃけ地中海??みたいな状態で、しかもデザートのアップルシュトゥルーデルが売り切れ。ズバリ、「ドイツ料理」は食えんかった!と言っても過言ではなかった。
 しかし!
 今回は概ねドイツ料理だった!
 クーポンでビールが1杯タダ。これは写真の、ドイツ最北端の町のビールの、ピルスナータイプ(各銘柄にデゥンケルやヴァイスト=白濁がある)。メニューを見ると、苦味の強いビールとあるが、アルコール度は4.8%、全体にスッキリ味で、そんなに苦味は感じなかった。男の人には「ちょっと薄いビール」かもしれないが、女性には飲みやすい。結局お酒はこれ1杯という儲からない客だった。
 タマネギたっぷりのキッシュ。甘くておいしい。ジャーマンポテト。うーんポテト。胡椒の効き具合がナイス。ニシンのマリネ。お魚大好きなので割に厚めのこのマリネは嬉しく、味もよかった。ソーセージはフランクフルトとヴァイスヴルスト(白ウインナー)。どちらも美味。付け合せの、あったかいザウアークラウトがまた美味しい。作ってみたい。デザートは、冷たいフルーツグラタンとカプチーノ。このフルーツグラタンが、表面のカラメルをカリッと焦がしてあって実に美味。
 うーん…アレ?デザート、ドイツものがないんだが?(しかもカプチーノにしたし!)
 実は、今回はつとめてドイツ料理を頼んでみたが、メニューにはカルパッチョなどイタリア料理がかなり含まれていた。グーラッシュも、「パプリカのきいたドイツのシチュー」と書いてあったが、これだとハンガリー料理じゃなかったか?
 お店をネット検索していて情報サイトで知ったのだが、元々、近代まで分裂しまくっていたドイツという国に、「これがドイツ料理」というものは存在しないのだそうだ。
 このお店も南部バイエルン地方の料理。何と、東京にある「ドイツ料理」はほぼ全て南ドイツ料理なのだそうだ。南ドイツは、言語的にも文化的にもほぼ現在のドイツを代表するので(各地方に異論はあろうが、国際的には南部と首都がドイツの顔なのだ)、料理も例外ではないということだろう。白ウインナーでも、有名なものはミュンヘナー・ヴァイスヴルスト(ミュンヘンの白ウィンナー)だ。
 1号前ぐらいの『PRESIDENT』だったかで、ドイツ大使館の広報の方曰く。
 かの「アイスバイン」(豚の長期間塩漬け肉の煮込み)は、ドイツ人はオクトーバー・フェストの時ぐらいしか食べないもので、実は、ドイツのアイスバインの半分は日本人観光客が消費している!!!のだそうだ。
 衣食住とあれば、ドイツ人が最も大事にするのは住だそうで、確かにこれはドイツ語のテキストなどにも書いてあるのだが、食事は質素で、冷たいハムやウィンナー、ソーセージで済ませることが多い(あらたまった時でないとあったかい晩餐もないらしい)のだそうである。まあそれだけ、加工肉、冷肉の料理は骨の髄まで浸みているのだろうが。
 というわけで、「ドイツ料理」店にも、本当に南部ドイツの料理だけを置くと、贅沢な日本人には偏っていると感じられるだろうこともあって、店としてある程度の売り上げを確保するためには、各国の料理を置かざるを得ないのかもしれない。
 また、伝統的なドイツ料理ばっかりでは重いし、塩辛くて酒のつまみにはいいけど…ということで(これも監督の合理精神かしら?)、今回のW杯ドイツ代表の料理長はイタリア人で、選手には美味しくてもたれないイタリアンと、ビールはなしで健康によいジュースが出されたそうである(やはりアングロサクソンに比べると、料理はラテン系の担当ということだろうか)。尤もこれも、ドイツの新聞では嘆かれたそうだが…
 ま、気にせんと、好きなものを食べればいいやね。味はなかなかのものでした。ビール色々、ワインも色々、カクテルもソフトドリンクも色々。旬の素材もいかがでしょう。そうそう、「フリッツ・ヴァルター・ビア」なるもののポスターもありました。ドイツの名選手で、人間としてもとても尊敬を集めている人。そう、あのカイザースラウテルンの会場は、「フリッツ・ヴァルター・シュタディオン」でありました。
 また機会があれば行きましょうかねえ。