あいづ・そうかつ・7

 このシリーズ、年内に終わるのか!という危惧を抱きつつ。
 毎回、書きたいことは沢山あって、しかもその場=現地で文章まで大体考えてあるのに、反映されない…のは何故。
 年と共に、忘れるのも速くなるってのもあるし、まあ、根気が続かないんだろうな。
 さて。
 喜多方大ダッシュの甲斐あって、予定通りの電車で愈々会津若松到着。
 駅前。
 駐車場〜〜〜。
 また、特に何もなく、駐車場〜〜〜。
 レンタカーもあれば自前の車もあるようだ。
 とにかく、駅前がだだっ広い。
 現地の方からすればそうでもないかもしれないが、東京基準だと「駅前の平地」なんてものは、何と贅沢なことか。
 地方に行くと驚くのは、
「平地の駐車場がこんなにある!!」
 ということなのである。
 東京では、「重なった駐車場」とか「地下駐車場」ばっかり。
 以前金沢で、確かに家族で住むなら地方かな(但し車必須)と思った理由は、
「どのレストランにも、店舗よりデカい駐車場がある」
という事実だった。(そもそも飲食店はファミリー向け全方位メニューの店が多い)
 車移動が大前提だから、レンタルビデオ屋もそれにくっついた巨大書店も、午前0時まで営業は当たり前。意外に地方も夜更かしなのである(そこいくと東京の某書店街なんか客を馬鹿にしてるとしか思えない営業時間だ)。
 話を会津に戻すと、やっぱりこれも思い込みなのだが、「観光地」として想像していたよりもずっと小さな駅だった。むしろかわいいと言えるぐらいの規模。
 駅前が真っ平らで、空が突き抜けるように高く、遠くに山。
 うーん。会津
 とりあえず駅前の写真を撮り、母に写メール。
 会津25会津若松駅.JPG
 何故なら、母は30年以上前、私を産む前だから勿論私よりもはるかに若い頃、この地を父(つまり私の祖父)と訪れたことがあるのである。
 このメールには返事はなかったが(喜多方ラーメンについては「美味しそう」という返事が来た)、恐らく、30年前とあんまし変わってないような気がする(^^;)
 やっぱりこれしかないんでしょうか、白虎隊の像。
 会津24会津若松駅前像.JPG
 で、実は東武の旅行で指定された旅館に泊まる客の荷物は駅で預かってくれて旅館に届けてくれる「手ぶらで観光」というサービスがあるのだが、これの受付が14:00まで。我々が駅に着いたのが14:08の電車。惜しい。いや、無理に頼んでみればよかっただろうか。まあ、国内の1泊旅行ということで、そんなに荷物はないのでそのまま行く。
 事前に「ハイカラさん」という循環観光バス(但しミニサイズ、目一杯詰め込んでも20人ちょっと)の時刻表を調べておいたのだが、出発まで30分ほどあるので、着いたらその間に出る会津鉄道のバスも探そうと思っていた。が、ない。というか、路線が錯綜していて、駅前の観光案内所で図を見ても全然わからん。結局、ハイカラさんが来ていたので、乗って待つ(これは正解。すぐ満員になってしまうので)。
 市内のバスは、このハイカラさんであれ会津鉄道の路線バスであれ、「会津ぐるっとパス」でOK。
 これは、喜多方の記事で書いたように、加盟店で特典があるほか、そもそもは、観光地で入場料の割引があり、指定区間内の私鉄、JR、バスが乗り放題というフリーパス。但し、出発前に旅行会社の窓口やみどりの窓口などでクーポンとして購入(1人2,600円)しておき、通用区間内の駅で現物に引き換える必要がある。2日間有効。
 私たちは、鬼怒川温泉から先の、野岩鉄道だか会津鉄道だかとにかく繋がった電車の中で、車掌さんに頼んでみたら、現物に引き換えてくれるとのことでラッキー。この区間の駅で既に引き換え可能なのである。最初は会津を通過して直接喜多方に行くわけだから、会津までに引き換えておけば、会津若松〜喜多方間の往復700円がタダになる。これは大きい。車掌さんは一旦我々のクーポンを預かり、次に停車した駅で引き換えて渡してくれた。
 そういえば何だかこのあたりの電車は「手作業感」があって楽しい(東京モンには珍しいのである)。昨年の日光では、何と東京都内から東武ワールドスクエアのある小佐越まで乗り越したのだが、昔懐かしい、駅名がずらっと並んだ明細票みたいな精算表に料金が記入され、支払った。
 ともあれ。
 現地移動用のフリーパスは、ハイカラさんのみのものや、会津鉄道バスまで含んだ物、更には割引入場券がセットのものまで、狭い土地なのに色々ある。しかしどの程度バスに乗るかわからないし、バスの本数がないためどれだけ観光できるかも未知数なので、結局この「ぐるっとパス」にしたのだった。
 が!
 話は遡るが、この、公式サイトによれば、旅行会社だろうがJRだろうか、早い話どっこでも売ってるはずのこのパスが、相方に最初に頼んだみどりの窓口では「わかりません」と言われ、私が行った「日本旅行」のカウンターでも「???」。
 おいおい!!
 そんなにマイナーか!会津ぐるっとパス!!
 肝心の東武トラベルに(旅行会社のカウンターで!)電話を入れても、電話に出たスタッフもよくわかっていない。
 おいおい!!こんなんなら大々的にパンフで宣伝すんな!!!!
 結局、再び窓口で「ここでも買えるはずなんですけど!」とややキレ気味になるまで粘り、ちょっと偉そうな女性上司が調べてくれて、クーポン発行。
 ところが!更に!
 発行手数料やらが1回500円。
 この時点で早くも、多分モトは取れまいが、まあ小銭を毎度出し入れするよりはよかろう、という諦めの線に落ち着いた。
 東武は宣伝を頑張っているのだが、こんな風に、会津ってのはどうも、「行くと決めたはいいが実際作業にかかってみると挫折しそうな所」と言えなくもない。申し訳ないけど。
 こんなんで観光地と言えるのか!
 ってこれも繰り返し書いているなあ。
 前にも書いたように、情報化社会では地名はいくらでも人の脳味噌に入り込む。そのことと、実際に現地で便利に動き回れるかは全く関係がないということを痛感した。(正直ロンドンとパリの方が、世界的大都市なので、移動は簡単すぎるほど簡単だ)
 まあ観光地っぽくないところもいいから、しょうがないけど。
 とにかく一度は行ってみてよかった地である。
 マイナー感はこれに限らず、そもそも「会津」のガイドブック自体、書店では少ない。ガイドブックにも色々なシリーズがあり、まさかそれぞれのラインナップに会津が入っていないということは少ないとは思うが、実際に店頭にあったのは2冊だけ。私が買ったのは『会津・磐梯』というもの。
 で。
 既に、「どの程度バスに乗るかわからない」と書いたが、これは、ハイカラさんの本数が少ないため。
 これがなかったら、実質的にはレンタカーしか移動手段のない街なのに、30分に1本!
 30分あったら、観光地の固まった市内中心部では歩いたって次の観光地に行ける。ただ寒いので歩きたくないだけで。
 しかも、ガイドブックによれば、右回りと左回りがあるはずなのだが、旅行のパンフレットを見ても公式サイトを見ても既に左回りのみ。オイオイ、どれだけ更新してないんだガイドブック…
 結論。
 せめて20分に1本にし、かつ、右回り左回り両方がなければ、「観光用バス」と謳わないで欲しい。(勿論現地の人の足でもあるのだが)
 そもそも、採算取れないからこの本数で、1コースしかないんだろうけど。
 「観光地会津」の未来や如何に。
 と、会津駅前を1歩も出ないうちにひとまず終了。続く。