「もったいない図書館」本日オープン

 以前にこの日記でも「本の寄贈募集中」とお知らせした、「合併しない宣言」の福島県矢祭町で、遂に寄贈図書のみの図書館「矢祭もったいない図書館」がオープンしました。
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070116i304.htm?from=main3
 私も本を寄贈しまして、1ヵ月後ぐらいに町長からのお礼状が届きました。何とお正月には、図書館オープンを知らせる年賀状も。
 そのお礼状に、24万冊!だか25万冊!だかの寄贈が集まった旨書いてあったのには驚きました。
 で、上記の記事によれば、最終的には寄贈は約29万3000冊に上ったそうな。
 この、29万冊というのが、具体的にはどれぐらい凄いかと言うと…
 普通に東京23区内にある、所謂最寄の図書館が、大体6〜8万冊。つまりこの矢祭町に集まったのは、皆様が普段目になさっている図書館の3倍以上の冊数。
 区の中央館にあたる館だと、例えば世田谷区の中央図書館なら約20万冊ですが、それよりもなお多い。
 しかし、これはあくまで集まった総数であり、しかも、寄贈募集の記事には「余りに汚い本は職員が処分する」とだけあって、本の種類も制限していないので、この日本に29万冊本が余っていることはありえても、漫画もかなり含まれているのではないかと個人的には推測していました。勿論、余りに汚い本や、壊れかけた本を送ってきた人もいないわけではないでしょう。当然、ダブリも含まれているでしょう。だから実質的に、冊数に対する点数は下手すると3分の1程度になってしまう可能性もあると思っていました。
 私が送った本にも、充分読めるけれどやや変色していてブックオフでは買い取ってくれないもの、「古本屋で買い、箱はボロいけど中身は新品同様」という本が含まれていますし、他の方とダブった可能性も充分あります。
 そして、上記の記事によれば、やはり実際に図書館に並んだのは3万6000冊とのこと。柔剣道場を改装したという広さの制限もあるでしょうが、やはり、「使えない本」やダブリも多かったと思われます。
 ただ、元々目標が3万冊であり、それをはるかに超える量が集まったわけだし、本は定期的に入れ替え、並べきれない本も建設中の書庫に収める予定とありますので、いずれは書庫の本も貸し出せるようになるでしょうし、そうすると人口に対してはかなりの冊数に落ち着くのではないかと思います。
 ただ、寄贈だけで図書館が出来るというのは凄いことだとは思いますが、これほど余っている本が集中する一方で、市場にはろくな本が出回っていない現状は問題です。