なぜか上の1

 北杜夫マンボウ百一夜』(新潮文庫)詳細略
 北杜夫『月と10セント マンボウおもちゃ箱より(Ⅱ)』北杜夫全集14(新潮社)詳細略
 しかしこの全集(しかも著者曰く、金に詰まったために出したもの)があれば作品はカバーしていると図書館の方で思い込んでいるために、余りにも多くの単行本が文庫で図書館に収録されていないという意味では、大迷惑な全集である。早い時期の「全集」だから当然その後の本も多い。どうしてくれるのだ。
 余り多くの本を持ち歩けないため、「読むのに時間のかかる単行本を」と思い、何故か『指輪物語』文庫版の1冊目つまり「旅の仲間」上1を昨日から持ち歩き今日読む。冒頭の「序」、ホビットに関する長い説明が嫌でこの作品を投げてしまうという人も多いらしいし、実際、嫌になる前にこの部分を飛ばして本編に入るのも手ではある。しかし普通に読み返してみると、この部分にも実に巧みに本編への興味をそそる「引き」な記述が入っている。ここでこれだけ本編の人名と、その本編後の事績が説明されたら、嫌でも本編が気になるではないか。というのも読み返し3度目だからかもしれないが…。とはいえ暢気なのも最初の方だけで、後はどんどん辛くなる。ところでSGA様(と、ここで唐突に振るのでいっとこまも油断のならない日記である?)、是非この原作をご一読頂き、お突っ込みを頂きたいと拙者切に願うものである(しかし全体に文章が躁状態の北さんみたいだな)。