親しすぎるデパートの…

 朝一、寝ぼけ頭に飛び込んできた大ニュース…
 三越伊勢丹が統合っ!?
 と私が驚愕しているのは、「業界4位と5位」だからではなくて、自分にとってよりによって一番身近な2デパートが!!!!だから。
 例えるならば、幼馴染でよく知っている兄妹がとうとう近親相姦しちゃった、みたいな。いやホント、こういう例えがぴったり。
 それぞれを良く知っているからこそ、くっついてまでは欲しくない!みたいな。あくまで別々でいてほしいっていうか。自分は第三者なのにそういうヘンな意地が出るっていうか。
 だって三越三越伊勢丹伊勢丹でしょ。カラー全然違うっすよ。勿論、違うからこそ、しかも店舗がかぶってないからこその統合なんだけど。
 東京に住んでればこの2デパートが一番身近なのは当然で(例外的に西武とかもあるけど)。大丸っていうと、東京駅にもあるけどやっぱり関西のデパートだし(祖母の知り合いの女医さんがいたのでここでメガネとコンタクトを作った)、松坂屋も上野にあるけど(ちなみに土方歳三がここに奉公していたという説は最近否定されつつあるらしい)やっぱり名古屋。阪急に至っては有楽町が頑張っているけどあくまで関西のデパート。そこいくと三越は江戸も江戸だし、伊勢丹も元々あの場所に初代作ったデパート(だったよね確か)だし。
 私にとって、「お買い物」とは、「日本橋三越」のこと。用賀から半蔵門線に乗って表参道で銀座線に乗り換え(若い人!昔は半蔵門線半蔵門止まりだったんだよ!!)、「三越前」駅で降りて、キラキラした地下入り口からデパートに入る、あれこそがお買い物。(逆に、日本橋以外の支店には大学に入るまで行ったことないし、日本橋本店の地上の、あのライオンのある玄関はほとんど通ったことがないけど。)
 何で三越かというと、そもそも家とデパートの関係の始まりというのは、「着物を誂えること」なので、正に三越といえば呉服店。先祖代々、着物は三越か大丸。それがデパートになったわけです。
 思い出は数々でもう数え切れないな〜。
 うちの母は、「三越なら目をつぶっても歩ける」と豪語しており…でも改装しちゃったから(ヘンな構造になったしハロッズティールームはなくなっちゃうし!フォートナム&メイソンしかない…)今はわかりません(笑)。
 未だに、「半蔵門線三越前駅」っていうのはあんまししっくりこないなあ(入口まで遠いしね)。
 プラス、そこへ、親しい知人が10年ほど前に「伊勢丹新宿店」に就職したのと、新宿も成城学園前から1本なので、伊勢丹でのお買い物も増えました。お中元お歳暮も、ずっと三越だったのが、以後は伊勢丹に。結婚してからは伊勢丹の方がやっぱり1本で行けて近いし、会社からも近かったので、帰りに母と待ち合わせて買い物をすることもしばしば。ブライダルクラブ(商品の割引とか色々特典がある)も伊勢丹のに入ったし、こないだのマタニティバーゲンも伊勢丹。しかもその知人が今年度からよりによって子供用品売場に異動したんで、ますます買い物しそう(笑)
 日本橋三越も、通勤途中なので定期で行けるから、会社帰りにデパ地下に寄ったりもしてましたけどね。やっぱりデパ地下のお野菜って美味しいのよ。
 あ、改装に合わせてレストランもリニューアルしたから、「グリル満天星」も行ったし(まあ味は普通に美味しいって程度ですが)、次は是非「なだ万」!
 で、この2デパートの違いは、やっぱり利用者の年齢層からくるもの。
 業界総合売り上げでは4位と5位ですが、それぞれの全店舗の中で、「日本橋三越」と「新宿伊勢丹」の売り上げが突出しているのは有名。
 特に新宿伊勢丹は、単独店舗としては売り上げが日本一。
 三越は、もうこの10年ぐらいは哀れなまでのボロボロぶりだけど(そもそも新宿で伊勢丹とかぶらないのは、新宿三越が撤退して大塚家具になっちゃったからだし…「MITSUKOSHI」のロゴがそのまんまのフォントで「OTSUKA」になってるのは笑えた←横浜店も一部が大塚家具)、「日本橋三越」の売り上げは、何たってシニア富裕層がガッチリついているからすごい。日本の全貯蓄の6割を持っているという世代が集まるのはやっぱり「日本橋三越」。実際、行ってみると年齢層が高め。のんびり滞在してお金を使う雰囲気に満ち溢れてます。私が好きなのもやっぱりこの感じ。
 逆に伊勢丹はやっぱり、「ファッションの伊勢丹」というだけあって20〜30代の若者向け。メンズファッションもまずは日本一でしょう。
 ということで、日本橋三越が何となくシニアに優しい店作りになっている(椅子結構ありなど)のに対し、伊勢丹はどうしても、私のような30代以上だと、「行ってパッと色々お買い物するだけ」(ぶっちゃけ椅子がねえ!)になっちゃいます。「ひと休み」ができない店の作り。「滞在したい度合い」が低い。使ってるのはここ10年ぐらいなんで、私の中での年季が違うっていうのもありますが。
 デパートっていうのは、日本では元々、「家族で行って1日滞在」させるもの。上の方に催事場があり、美術館もかつてはあったのも、一旦客を上層階に吊り上げてから下ろす「シャワー効果」を狙ったもの。
 ここで更に高島屋に話が飛びますが、実家が用賀なので当然「玉川高島屋」も、休日の定番(あそこもリニューアルしちゃって、古きよき「白い木とバラ」な感じじゃなくなってすっかり「アーバン」な感じになっちゃいましたけどね)。日曜の朝は、「タマタカ行くかあ」の父の声で、車で出かけて何となく1日いて、大食堂でお昼、まあこんな時間、でデパ地下で夕飯のお買い物。これが由緒正しきデパートの利用法。つまり、滞在してもらってナンボです。
 でも、伊勢丹だと何となく、あくまで「お買い物場」でしかないんですよね〜、未だに。商品は一杯あって正にファッションならお任せではあるけど(流行については私はようわからんけど、品数は確かに多いんでしょうねえ)、通路も狭いし…慌しいのよね。まあ若い人は事前に雑誌とかで「コレ!」って決めておいて、それを豊富な品揃えの伊勢丹に実際に買いに行く、からいいのだろうけど…「目的なく行く感」では、未だに私の中では三越が上かなぁ。デパートって、やっぱりぶらぶらしたいもんなぁ。伊勢丹をはじめ、新宿のデパートは最近地下食品売り場が大々的にリニューアルしたけど、やっぱりごみごみしてて…ただリニューアルしてお店が増えたってだけではどうも食指が動かない。ある程度の年齢層が求めるものって、何か違うんですよね。珍しいものとか、日本発出店のお店のものが食べたいかっていうと、少なくとも私はそうじゃなくて、何だろう、安心感を求めるっていうか。
 まともかくごちゃごちゃ書きましたが、ホント、不思議な気分も極まれりって感じです。自分にとって同じように身近でも、2つを比べるとカラーが凄く違うっていう同士がどんな風に提携していくのか、それはまだ誰にもわからないことだし。
 ちなみに私はアイカードは持ってても三越カードは作るきっかけがなく持ってません(母は持ってる)が、提携統合となると、アイカードが何らかの形で三越でも通用するかも、というのが結局一番実質的な得かな。