自覚なき正直者

 昼前から、寝かしつけるまでに実に4時間かかった。最近こうして午後起きていることが増えたので、その分毎日夜は我々と同じ時間に寝付いてくれるのが常態化すれば有難いのだが(夜中2回起きるのは構わないのだ)。
 隙あらば本を読もうとする母親を察してか、寝ない寝ない。うとうとしたかなと思ったら、自分でオシッ○して泣き出したり(アホ…)、突然真っ赤になって一声泣いたと思ったらやっぱり大きいのだったり(ちょっと前までは、自分の出した音に自分で驚いて目が点になって手をバタバタしていた)。一度なんぞは、授乳しながら『新選組100話』を読んでいたら(だって期限が明後日なんだもん)、抗議の声を上げられた(いいじゃんかよ〜、勝手に飲んでくれよ〜)。ま、以後も何度か片手で読んでいたのだが。
 いっぺん、本当にほったらかして寝ようと隣で毛布をかぶったら(こっちだって眠いのだ)、こっちがうとうとするたびに「うぎゃあ」「あぎゃあ」で、その何回かに一度しかオムツは汚れていないとくる。ほっとけば泣き疲れていつかは寝るはずなのだが、それまでの泣き声が騒音なのである。どうにかして黙らせようと必死になる。
 尤も、子供の泣き声が苛立たしいものなのは、もしいい音色だったら、周囲の人間が聞きほれてしまって世話をしなくなるからだ、という説もある(吉松隆『世紀末音楽ノオト』音楽之友社)。
 寝られてしまって沐浴の時間がずれこまなかったのは有難いが。
 普通、沐浴(つまり風呂)の後は、大抵の子供は寝るので、寝ていてほしい時間の前に入れるとよい、と病院で聞いて、夕飯の準備前の15:30頃から16:00頃には入れようとしていた。だが、これまでは余りに寝まくる子で、17:00以降にずれこんでいた。それがこのところ起きているということは、問答無用で正しい時間に入れてしまうことができる。但し、うちのは、風呂の後寝ない!定説の嘘つき!
 今日は15:30に風呂に入れ、顔の脂浮き(子供は新陳代謝が盛んなので、特に脂性でなくても脂っぽく、こすると白い脂がポロポロ出る)を、オリーブ油を塗って落としてやったら、ものすご〜く気持ちよさそうな顔をしていた。脂は油で落とす、のだそうで、あらかじめ額から眉毛にかけてオリーブ油を塗っておき、お風呂でその油もろとも、石鹸をつけて落とすのである(おへそのへその緒の残りなんかも同様でいいらしい)。冷えないように、髪の毛と顔は先に私の膝の上で洗ってやってからベビーバスに入れるのだが、実に気持ちよさそうに洗われていた。大人になると、人に頭を洗ってもらうなんて、美容院でお金を出さないと駄目なのにね〜。それに、今日はそれまでさんざんぐずったせいか、風呂ではずっとご機嫌だった。バスに入れても、いつものように怖がってバタバタしなかった(本来は子供にとってお風呂というのは胎内にいた頃を思い出して心地よいものらしく、何かの拍子に怖がる以外は概ね気持ちよさそうにしている)。
 風呂の後は喉が渇くので(俺もだっつーの!!)、授乳(白湯を飲ませる、という話もあるが、母乳で育っている子供に母乳以外の水分は要らないという説もあり)。昨日体得した添い乳の今日何度目かのトライで、やっとうとうとし始める。レム睡眠30分(大人は90分周期だが子供は30分周期である)の間はまだうぞうぞしていていつ起きるかわからないのでじっと待ち、ノンレム睡眠に入った頃、ソロソロと離れ…『100話』の続き、読了。
 で、寝ている間に風呂に入るとか、メシを作るとか…ではなく、とりあえずキーボードを叩いている。さて私はこれから無事にきんぴらごぼうが作れるのだろうか。母は今日から避暑に行ってしまった(うらまやしい!!)。