ブックオフはオフじゃない(翌日加筆修整)

 どうしても有栖川有栖作品のうちいくつかを持っていたくなり、近所のブックオフに走る。
 お目当てのものは大体買えたものの、105円コーナーにあったものより普通の価格がついているものの方がはるかに状態が悪く、こういうことはしょっちゅうあるので今日はとうとうレジでその旨言った。
 店員によれば、買い取った時期の都合などもあるのだという。
 しかし、普通の価格のコーナーのものが3ヶ月売れなければ105円均一に移されるというシステムなのだから(果たしてそんなに詳しい在庫管理が可能なのかどうかまでは疑わないことにして)、だったらついでに、本の状態も見直すべきだと思う。
 もし、同じ本が両方のコーナーにあり、105円の方が状態がよければそれを買えばいいのだが、問題は、今回のように、通常価格コーナーにしかない本だが、状態は明らかに105円コーナーのものより劣る場合。
 もしくは、同じタイトルでも価格のつけ方が逆だろ?という場合(ないことはない)。こういう場合は、同じタイトルの本なら2つのコーナーで状態を比較して、余りにひどければ105円コーナーに移すなりして、ちゃんと105円コーナーと整合性を持たせて欲しい。
 誰が、105円より状態の悪い315円なんか買いたいか。
 はっきり言って、状態と価格が合わないことについては、買い取った時の在庫状況、もしくは、マニュアルはあれど店員の判断の微妙な差、以外の理由はないだろう。例えば昨日買った、『46番目の密室』は、表紙にでっかい折り傷がある!!!にも拘らず通常価格で、一昨年出たばかりで状態もほぼ新品の『マレー鉄道の謎』は105円。同じ作者で、前者の方が市場で5倍も6倍も売り上げがある、つまり買い取り時にも価値があるとは思えない。
 そして今回、「こんなに状態がひどいのに105円なんですか?」と余りのひどさを告げても、値引きは一切できないとのこと。つまり、買い取った時の基準で、どんなにひどい品でも値段はそのまま。その後一切見直さないと。
 本の状態のみを価値判断にしているのがブックオフの売りなのに、汚い本でも高く売るのだ。本、というものの価値を、美醜だけに絞るという大暴挙をやらかすこと自体、愛書家、読書好きとしては許せないのだが、それはもう仕方ないとは言え(それに、実際には新しくて話題の本は必然的に状態がいい以上に、やはり無条件に高い)、せめて、
「状態がよければ、原価より安いのだから値引率は低くても買う」
「状態は悪くても凄く安いなら、読みたい本なのだからいい」
という、私を含む多くの人間のニーズに応えるためには、上記のように、状態のチェックは定期的にして、価格の見直しを必ずしてほしい。
 ついでに言うと、大分前だが、どこででも手に入る、エラリー・クイーン創元推理文庫が、原価よりも高い値段がついていた。明らかに、単なる値段つけのミスである。その時は気づかず、今更レシートもないのだが今でも悔しくて仕方ない。こうしたミスもないことはないので、原価と値段シールはちゃんと確認して買いましょう。あと、『しゃばけ』が、いくら話題の本とはいえ、中のページにべったり(直径5センチぐらい)のしみがあっても通常価格。これは傲慢というより単に確認漏れだろうけど。
 ついでにその2、今日、私と話をした店員の姉ちゃん、話が終わるといきなり不機嫌になって、物凄い力でレジを壊さんばかりに叩いていた。わかりやすいなぁ。