柳家喬太郎「キング落語名人寄席 すみれ荘201号室/夜の慣用句」

 キング落語名人寄席 すみれ荘201号室/夜の慣用句
キング落語名人寄席 すみれ荘201号室/夜の慣用句
 RAKUGOネタが続くのは非常に不本意ではあるが、昨日買って聴いたので♪
 あははー。この可笑しさは…どう表現したらいいのかねェ。馬鹿馬鹿しいというか?高度というか?
 とにかく、よく出来てる。これぞ、人前に出せる、金の取れる新作落語だ。
 様々な人間の特徴を切り取る頭の良さ。緻密な計算。見事な表現力。
 「すみれ荘201号室」。一見普通のマクラに、テンポの速い展開。時々、あれこれって人情もの?と錯覚するような切ないフレーズを挟み…やっぱり落語。
 ああっ!このオチは…当然予測できていてもよかったのにっ!!終盤の、演じ方の上手さと高度な自虐ネタに、すっかりどっかへやってしまったっ!!しかもマクラが見事に生きてるッ!!やられた!!
 挿入歌?「東京ホ○トル音頭」は、喬太郎の自作。この作品では1番と18番のみ歌っているが…錦糸町って…1番かよーっ!!(泣笑)しかし、0歳児にしてこんな歌聴かされてるうちの子供って一体…でも面白いんだもーんっ!歌詞上手いよーっ!
 「夜の慣用句」。…うわー。これ、旦那にも聴かせたら笑ってくれるかなー。「座右の銘」好きでスケベで下品な課長と、飲みに連れてこられた部下の悲喜劇。オチはまあオチらしいおちですけど、それまでの課長のバカっぷりが上手い。いかにバカで下品かを、これでもかこれでもかと細かいネタを重ねて描き出していくパワーは見事。きわめて頭脳的なエロス!…こういうの好きなんだよね〜。(色話とエロ話とバレ話は、微妙に違う。単なるバレは好まないが、知能的頭脳的エロスは望む所である。)
 そう…これが…これが喬太郎の落語だっっ!!
 CDでも笑えたけれど、やっぱり、一瞬CDの故障かと思うような無言の部分とか、あちこちに、「あーこの時どんな仕草なんだっ!!」と思うことばかり。やっぱり本物が見たいっ!!
 ↓これは、レンタルの順番待ち。
 柳家喬太郎落語集 アナザーサイドvol.1
柳家喬太郎落語集 アナザーサイドvol.1*p2*[日記]エーッな偶然
 いや…たまに見てみるもんですね、末廣亭HP(笑)
 http://suehirotei.com/
 びっくりしたよー。左の方で「寄席だより」を選ぶと、来る5月のニュースが書いてあるんですが…
 遊だちさん…真打昇進かあー。
 いえね。すんごい昔に末廣亭の前座で出ていたのを見たことがあって、自分の名前を、「『遊び友達』と憶えて下さいね」と言っていたのを、よーく憶えているんです。(「朝だち」じゃないですよ!とも言ってたな(笑))
 そんな毎月行けるものではないので、こうしてタイムスリップしてしまう落語家さんが多いわけですが(ていうか落語家さんがホントに多いんですけどね)、時々はチェックしとくと嬉しい再会がある。こういうところが、日本の伝統芸という、息の長い芸能の世界の良さですね。
 ハァ…略歴を見ると…私が見たのはほんっとに入門したてですよ。そうそう、遊馬になってたんだ。そして二ツ目で10年…うーん長いのか短いのか。とにかくヨカッタナア。
 古今亭今輔の襲名だって…これは凄いことだよ。先代は大名跡ですからね。都築道夫さんのお兄さん(鶯春亭梅橋。早世)の師匠。このお兄さんのことは都築さんのエッセイに詳しく書いてあって、ミステリに詳しく、非常にいい新作落語を作る人でもあったそうです。また、この先代今輔師匠は、志ん生が酒に釣られて満州行っちゃった(笑)後、長男、のちの金原亭馬生師匠がいっとき預けられてたところでもあります。お兄ちゃんは苦労人なんだよ!生まれたタイミングってのがあるからね(T_T)(この方も大好きなんですよ…自分が長女なので長男に肩入れ…勿論志ん朝師匠も好きだけどね…)
 そういえば、いっぺん浅草・砂場の「藪」に行った後、馬生師匠がこの店を贔屓にしていたということを、山口瞳さんのエッセイで読んでびっくりしたこともあるなー。(ここの蕎麦美味いです。池波正太郎が「藪」で一番美味しいと書いているのもここ。私には池之端じゃない方の上野の藪が一番だけど。)