「天国の本屋〜恋火」

天国の本屋 ~恋火
天国の本屋 ~恋火
 これはね、もう…映画館で予告編だけは10何回観た映画ですよ(笑)。例の「王の帰還」の頃に予告やってた映画だから(つまりそんだけ「王の帰還」を観たってこと)。
 玉鉄目当てでレンタル。 
 で大当たり。
 たった4年前なのに、玉鉄が若くてかわいい!!
 この映画、本格初主演と言っていいんじゃないでしょうかね。正確には「ヒロインの相手役」かもしれないけど、彼目当てでも十二分に当たり!(「逆境ナイン」の羽住監督が、「これまでナイーヴな青年役をやっていたこの人に…」というのは、こういう映画を指してのことだろうな〜)
 竹内結子の、大人っぽくて熱い所は熱い女性と活発な姪の2役もなかなか。でも彼女、「黄泉がえり」といい、この映画といい、後の「いま、会いにゆきます。」といい…何か、「行き来する話」ばっかりじゃん(笑)
 香川照之もね、何でこの人は、何やっても上手いかね〜。
 原作はベストセラーだそうですが、「天国の本屋」と「恋火」の2つの話を合わせたもの。一言で言えば、「天国と地上を繋ぐ唯一のもの、花火」というところでしょうか。
 死んでもいないのにある日天国に連れて行かれたピアニスト・健太(玉鉄)は、子供の頃から憧れていたピアニスト兼作曲家・翔子(竹内結子)と”再会”する。彼女は若くして病死し、天国に来てからはピアノが弾けなくなっていた。毎年恋人の上げる花火を見て作っていた曲も、死んだことで中断し、10曲目だけが未完。2人は健太の演奏と翔子の作曲を仲立ちに、交流を深めていく。
 一方、地上では、翔子の恋人で、暴発事故で翔子の耳に怪我を負わせたことで花火をやめた花火師・瀧本(香川照之)に、翔子の姪で、町の青年団で花火大会を主宰する香夏子(竹内結子2役)が、再び花火を作るよう願う。
 健太がバイトをしている天国の本屋は、朗読サービスもあり、本を買う人も、文字ではなく言葉で聴きたい人もやってくる。この天国というのはやけに美しいというか、静かなんですが、人々が、死んだ時の姿のままで平和に暮らしています。実はここには、健太のように、死んでいなくても来ることができるらしい(原田芳雄演じる「イドウシ」という職業の人は、天国と地上を行き来して、人間を移動させることができるらしい)。そして本屋は、生きたまま夢を失ったり寿命が来ていないのに死を願う人の「リハビリ施設」も兼ねていた。
 天国にまで持って行った組曲は完成するのか?恋の花火は再び上がるのか?
 まあね、2つの話をミックスしてるせいもあるけど、そもそも、夢を見失うと何で”天国体験”までしなきゃいけないのかとか、完成しなかった曲を完成させなきゃ必ずしもいけないのかとか、話の中で起こる出来事の必然性にいちいち突っ込みを入れてたらきりがない話で。
 ハッピーエンドだからいいじゃん。
 本当に、終盤はかなり感動ですね。
 花火が本当にこんな風に天国から見えるのなら。
 天国にも本屋があるのなら。
 実にこの天国ってのは、いいもんですな。