カメラを赤道儀に乗せて

 ちょっと変わった写真を撮った経験がある。
 中学生の時、天文部だったので、星座を撮ったのである。
 冬合宿(冬休み)と春合宿(春休み)があり、山の中の、小さい天文台の近くに泊まり、その天文台の大きな望遠鏡で、普通では見えない星雲を見たり、徹夜で星の写真を撮る。
 …どっちも寒かった(笑)
 山ん中で、冬と春先っすよ(笑)。寒いの何のって(笑)。撮ってる間寒い。寒いのを紛らわすために歌ってた(笑)。夜明けに布団に入っても、「寒くて眠れない」って体験は初めてしましたね(笑)。
 で、星座の写真の撮り方は、カメラを赤道儀…だったと思う、星空と同じスピードで、だからものすごーくゆーーーーくり回る台に固定して(カメラの底のネジ穴に機械のネジ穴が合う)、40分かそこら、シャッターを開けっ放しにしておく。レリーズっつったか、よく写真屋さんが使う、シャッターにコードみたいなのをつけて押すやつ、あれでシャッターを押して。フィルムの感度は400。それぐらいで、長い時間シャッターを開けておかないと星は写らないらしい。
 ちなみに、カメラを機械にセットしないで固定したまま撮ると、星の動きが曲線になって写る。よくある、「北極星を中心に回る北の空」みたいな、ああいう写真が撮れる。
 で、赤道儀にカメラを乗っけるというのは1つの星座を撮るためで、1枚1枚、撮った順番を記録しておく。
 が、…
 現像して、学校で、撮った順のリストと照らし合わせてみると…
 これが何故か、合わない。
 リストにつけ忘れたものなどないはずなのは全員が確認しているのに…何故か、合わない。写真を見れば星座の形はわかるのに、撮ったはずのない星座のようであったり、撮ったはずの星座がなかったり…
 現像したお店で、順番通りに袋に入れてくれるとも限らないので、そのへんでずれると一発でわかんなくなってしまうのか…とも考えたが、それでもおかしい。
 結局、毎度毎度、何座だかわからない(推定するのみ)写真が何枚か出現したのである。
 その謎だけは未だに解けない。