楽しみの距離

 チケットを取ってから当日までの期間は、大抵長かった。今までは。
 最長記録、劇団四季の「オペラ座の怪人」、確か6ヶ月とか9ヶ月とか。
 今まで観てきたのはみんな大規模な舞台(ミュージカル、オペラ)なので、取ってから半年ぐらいが普通。
 「最短記録じゃん?」と思ったのが、19日に観た1本目。水曜夜に取って土曜日だから、3日。
 が!
 その記録こそ正に「3日天下」。同じ19日の2本目は、「取ってから1時間」(笑)。当日券だもん。
 よもや自分の人生に「当日券」なんてものが入ってくるとは思わなかった。
 そんなに熱心な演劇ファンでもないので。
 ただ、どうしても時間がなくなってしまったので、出かけた時には用事はいっぺんに済まさねばならない。いや元々まともな社会人の方なら昔からそうだろう。私にはそれが遅かっただけで。
 さてさて。
 11月の初めの、観たいミュージカルは、一般発売は来月下旬だが、何と既に6月に先着順先行予約があった。
 これだと、当日までは5ヶ月。
 取れても実際観に行けるかって、社会人だったら結構あやしい。1ヶ月だってあやしい。
 でも取らないわけにはいかない。
 演劇人生とは大変なのである。
 冒頭の「オペラ座」は、多分9ヶ月だった。
 「四季の会」の先行予約よりも更に前、営業さんから直接連絡をもらって、公演のポスターすらまだない頃に第3希望まで出せばチケットが買えた。だからこんなに空いたのである。
 それでも、それはまだ学生だったから。社会人になってからは、それこそ「ライオンキング」だろうが「ウィキッド」だろうが、世間ではまだ制作発表すらない頃に連絡をもらってた。でも半年先、下手すりゃ1年近く先のチケットなんか、常識的に考えて押さえておけるはずがない。リスキーすぎる。
 だから演劇が自由に観られる人なんて、暇というか、幸せというか。
 そろそろ自分も「復帰」したいもんだが、その、11月の予定というのもあやしい。
 休日昼間を最優先して取るつもりだが、最悪日曜夜とか。それでも相方に頼み込むしかない。
 あっそういえば11月って、二期会オペラ「魔笛」も…ああでもこれは故・実相寺昭雄演出で、初演を観てるからもういいか…好きな歌手出るんだけどなあ…