ある意味正しいお盆

 昨日の話の続き。
 博物館の中だけ局地的にゲロ混みだっただけで、広小路のあたりも、人が少なかった。私は地下鉄を降りて広小路からJRの方へ上がっていくんだけど、公園の木立の中は本当に空いてたし涼しくてよかった。どうも人は主にJRから吐き出されてくるらしい。空いてる上野っていいなあ。流石お盆(東京のじゃなくて地方の)。
 博物館(解説聴きながら真面目に見たら2時間近くかかった…想定内だけど…)の後は、相方にお土産を買ったり一休みのために風月堂へ。
 ガラガラ…
 お土産は後回しにして、とにかく疲れたので1Fの喫茶コーナーへ。(甘いもの色々や食事は2Fのパーラーでどうぞ)
 白髪のオジイサマと2人占め。
 ホントに、お盆だなあ。
 で、そのオジイサマは、アイスコーヒー。
 この、コーヒーってのがいいんだな。
 お年寄りイコール日本茶、って思ってませんか?
 違うんだな。
 意外と、70代〜80代あたりの方が、何でも手に入る今の我々よりずっと、ハイカラ度に筋金が入ってるんだな。
 えっ、こんな齢の人でもこんなもの食べるの?って驚かされることは結構ありませんか。驚くのも我々の先入観のせいなんですが。
 「元気なお年寄り」は、下手すると我々より元気である。元気さに筋金が入っている。そう、選択肢の少ない時代を生き抜いてきた後の彼らの「今」には、色々な面で「筋金が入ってる」んではないかと思う。書いてて、当たり前か、と気づいたけど(笑)
 巫女のバイト時代にご一緒させて頂いた神主さんは当時80代だったのだが、いつもお茶ではなくコーヒーだった(お茶を淹れるのも巫女の仕事だった。湯呑しかないのでコーヒーも湯呑で飲んでいらした)。しかもその上タバコスパスパ。それで元気な80代。結婚式の間は腰をハンパに曲げる姿勢もあるのに平気でこなしていらした。本当に驚かされてばかりだった。
 同じくハイカラに筋金が入っているのが両方の祖母。父方の祖母(87歳)は私よりもずっと背が高く(!)オシャレが大好きでアクセサリーも大ぶり、食べるものも洋食中心で、昔よく一緒に出かけていた頃は、食べ盛りだった私と同じぐらい食べた。母方の祖母(88歳)は小柄だが同じくオシャレで、今の私よりずっと身だしなみ命である(これは前にも何度か書いたことがあったね)。
 ハイカラだったり流行りのものに敏感な人の方が長生きするのかもなー。
 多分、世の中の動きに何の興味もない私は結構早死にしそう…(まあ我々の世代になったら平均寿命も縮んでるだろうけどね)
 喫茶室、あるいはパーラーにて、テーブルにはアイスコーヒーなオジイサマ。
 私の方が煎茶に上生菓子でありました。
 修業が足りませぬ。
 まそんなわけで、東京にいて、閑散とした上野を味わう。結構、正しいお盆の過ごし方じゃん?と思って帰ってきたのだった。
 (尤も母なぞは、私がこの時期のことをお盆お盆と連発すると、「お盆はもう終わってるでしょ!!!」と言う。東京のお盆は、祖母宅に行っていた母は、風が強くておがらを燃やせずに終わったそうである。そういえば、近所のスーパーでもおがらなどお盆グッズは7月と8月の2回売り出す。)
 行きに鈴本演芸場を覗いてメンツを見て、帰りに寄らなくてもいいかあ、と思い、帰りにまた通った時に見たら「只今立見」の札が。(現在「鈴本夏祭り。夜の部トリは円歌師匠)
 うん、この時期東京にいる東京人は、とても正しい日々を過ごしているようだ(笑)