柳広司『シートン(探偵)動物記』(光文社)
シートン(探偵)動物記 | |
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つまり、動物の持つ様々な習性が、事件を解決するのに大いに役立っており、それを見抜くのがシートン先生。
しょっぱなから、語り手である新聞記者の素性を次々と当ててみせるなど、このシートン先生はかなりホームズ風。
事件も、前半の作品はホームズ作品へのオマージュ色が濃い。ホームズ作品を読み込んでいる人ならすぐわかるだろう。例えば「銀星」という名前のカラス、なんてニヤニヤしちゃうし、起こる事件は「青いガーネット」そっくり。旗尾リスの事件は、もろに「ノーウッドの建築士」。そうそう、本家「銀星号事件」めいた話もある。シートンさんが依頼人に「キートンさん」と呼ばれているシーンでは個人的に笑ってしまった。そういえば『キートン動物記』っていう本もあるよね(勿論、『シートン動物記』の、『MASTERキートン』版です)。
柳先生らしい、ちょっとじんとさせてくれる短編集。私は動物のことはよくわからない、というか興味がない、というか、嫌いな動物も結構いる、という、困った奴ですが、作品としては楽しめました。特に最初の話、よかったなー。やっぱり『狼王ロボ』だよね〜(ちなみに相方はこの話を知りませんでした…)。そうそう、私も、シートンさんに来たこの「読者の手紙」読んだことある。そうかーそういう意味だったのねー。