佐藤可士和『佐藤可士和の超整理術』(日本経済新聞社)
佐藤可士和の超整理術 | |
佐藤 可士和 日本経済新聞出版社 2007-09-15 売り上げランキング : 1899 おすすめ平均 これでいいのかも 整理術の本として期待しないで アートディレクターの成功例とその整理術による分析は興味深い Amazonで詳しく見る by G-Tools |
遠目には素晴らしくビジネス本に見える!(笑)
…そんなことはどうでもいいんだった。
読んでみよう、と思ったのは、TVでこの人のオフィスや、デザインした幼稚園が紹介されていたから。
って、超売れてる本なんで、図書館に予約してから半年以上待ちましたけどね…。まあでも、いっぺん読んで「ほほう」「ふうん」でいい本なんで…
いや本当に、いい本なんですよ。一読の価値はアリなんです。
その、TVでやってたこの人のオフィスっていうのが、見事になーんにもない。確かに、整理して消去法で行くと、テーブルに出しておかなきゃいけないものなんて本当は何もないもんな。
幼稚園の建物は、ドーナツ型で(これは正確にはこの人がデザインしたというより、デザインは別の人で、プロデュースか何かなんだけど)、つまり幼稚園児がいつまでもぐるぐるぐるぐると走っていられる、というもの。なかなか面白いです。(この本には出てこないのですが)
だから、さぞや「整理」の話なんだろうなー…と思ったら。
頭の中の整理の本でしたー。
でもそれでいいですー。
参考になりました。ものの考え方の問題ですね。
クライアントへの「問診」→問題点の整理→視点の導入(ここが一番難しいんだそうです)、と、こんな感じで書いてありました。読めばなるほど、って感じです。きちんと正確に聞き取って、いかに相応しい視点を見つけ出すか。その通りですね〜。
常々頭の中も机の上もごっちゃごちゃな相方にも読ませました(私も勿論人のことは言えませんがね)。
鞄の整理、というか、結局手ぶらでいい、っていう話と、身の回りの整理の話もちょっとありました。私も早く机の上とか家の中とか整理したいんだが…(^^;)
あとは、多くはこの人のしてきた仕事の例。ということは当然成功話で、ちょっと自画自賛めいてはきますが実際成功してんだからしょうがない。あ、この広告もこの人だったのね、と読みながら気づくということも多いと思います。
ユニクロでは買い物しないし発泡酒も飲まないので、私にとってこの人のお仕事で一番馴染みがあるのは「国立新美術館」のロゴです。オープンしてすぐに行ってみたし。デザインの由来については、なるほどそう言われれば、って感じですが、勿論、言われなきゃわからない(笑)。まあわかんなくたって「これイイ!」と思われることが広告としての成功なんですからいいんでしょう。個人的には、あの「新」の字のロゴは、何だか飛び散っちゃってるようだなあ、というのが第一印象でしたが、とにかく「新」なんだなあと。確かに、クライアント側は本当は「英語ロゴで作れ」という条件を出していたそうなんですが、結果的に漢字ロゴというのがインパクトあるので、この人ぐらいになっちゃうと「違反結果オーライ」なのかなと。他の参加者は悔しがったでしょうけど。
とまあ、別に、解説されればそれでまた理解が深まる、という程度なんですが、一度読めばまあ面白いというところです。
最初の方に書いた幼稚園同様、子供向けのお仕事も結構あるようで、教育テレビでやっている「えいごであそぼ」もこの方がアートデディレクションを担当してます(何気にこの番組の「えいごふだ」のコーナーで声の出演が国本武春…)。この、アートディレクションってのが何なのかよくわからないんですが(^^;)、何となく、全体の方向性を決める…っていうんだったら、確かにシンプルな番組かなと思います。ちなみに、出てくる着ぐるみ、かたっぽが「毛がボーボー」だから「KEBO(ケボー)」で、もうかたっぽが白くてお餅みたいだから「MOTCH(モッチ)」なんだろうか…!?