有栖川有栖『火村英生に捧げる犯罪』(文藝春秋)

 読んだの丁度1ヶ月前だった…

火村英生に捧げる犯罪
火村英生に捧げる犯罪有栖川 有栖

文藝春秋 2008-09-25
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おすすめ平均 star
star准教授
star短編集の醍醐味
star楽しめる構成

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 2009年2月16日記す。
 タイトルは収録作品の1つから。
 (このタイトルでもっとすんごい長編だったらなァーなんてのは贅沢な望みですね(^^;))
 まあいいんだ。火村准教授シリーズであるというだけで、手に取ればウハウハのウキウキなのである。
 今回も面白かったなあ。『妃は船を沈める』も、読みではあったけど、こういう短編集もいいんだなあ。火村准教授はホント、かっこよくなるばかりですなあ。(それなりに齢も取っているんだろうけど。アリスはいつまでも「駆け出し」なんだけど。←どうやらサ〇エさん現象のようですね、このシリーズも)
 大分記憶が薄れちゃったんですが、准教授の一人称なんてのはたまに面白いですね。
 最近は発表の媒体が雑誌や書き下ろしばかりでなくインターネットのサイトなんてことも増えてきていて、この短編集にも確か元はサイト用作品(故にできる限り短くまとめる工夫をこらしたもの)があり、そうした元の状態を「あとがき」で知るとああなるほどな、と思ったりします。そして結果として短編集にまとめた時にバラエティが生まれるわけですね。
 一番印象深かったのはやっぱり、「雷雨の庭で」ですかね。
 しかし繰り返しますが、いつか何かすんごい、准教授を恨む人が出てきて、ホントにとんでもないことになっちゃう長編なんての、そろそろ読みたいなァー。そういう話では遂にアリスとさえぎくしゃくしちゃったりとか、いやそこまでしちゃったらやっぱりシリーズの人気落ちますかね。結果として誤解が解ける話でも、途中でさえそうなっちゃったら駄目なのかな。ということで、2人はあくまでも黄金コンビで、大変な事件の長編、そろそろ見たいです。(って最後は要望かい!)