東野圭吾『容疑者Xの献身』(文藝春秋)

容疑者Xの献身 (文春文庫)
容疑者Xの献身 (文春文庫)東野 圭吾

文藝春秋 2008-08-05
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おすすめ平均 star
starガリレオ湯川がクールな名探偵というより人間味があって良い。ただ、石神がここまですることにどうも納得がいかない
starとても読みやすかった。
star一気に読みました。

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おすすめ平均 star
starドラマとしては素晴らしいが映画としては…
star愛のかたち
star簡単な引っかけ問題☆

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 ※ネタバレほどではないけれど推理小説を読み慣れた方にはわかりやすい書き方をしていますので、まだこの作品を読んでいない方はこの先はなるべくご遠慮下さい※
 いやー面白かった。
 これは一気読みだよね〜。
 まず、この作品が推理小説(「本格推理小説」)かどうかについて議論されている、ということは有名だったので私も耳にしていたが、私の結論は、「まあ、推理小説なんじゃね?」である。
 作品そのものよりも先に、この作品が確か「このミス」1位だっけ?何かそれに類することになった時に一番激しく批判したのが笠〇潔だとかもう1人誰だっけよく作品を読んでた人だったというのは知っていて、その批判した文章そのものではなく、それに対する有栖川有栖先生の反論(批判そのものはこの方に向けられたものではないけれど)をエッセイで読んだ。まあそれもうろ覚えなのだけれど。
 積極的にこの作品を「推理小説ではない」とする理由も見当たらないし、ましてや「本格推理ではない」と言ったら、じゃあ何が本格推理なのかと思うなあ。あと元々笠〇潔のシリーズものは好きだけどこの人のわけわからんエッセイとか論文ぽいものは好きじゃないし。
 これが「このミス」1位とかそれに類するものでもいいんじゃないかと思う。こういうのはめぐり合わせもあるから、その年には偶々この作品を絶対に超えているという作品もなかったせいなのか、そうでないのかは知らないが、同じく「このミス」1位を獲った(よね?まあそれに関係なく読んではいたけど)歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』みたいに、「仕掛け」の範囲が非常にデカいタイプのものである(昨日も別の件で書いたが、余りにも早い時点で、余りにも広い枠でトリックが仕掛けられている)。
 これほどの仕掛けをしておくほどに強い愛情と献身がこの世にあるということなのか、それとも、やはりこれぐらいのことをしなければ愛は貫けないのか、どちらにも取れる。ただ、結末はやはりこうなるべきだったのではないかと、作者のみならず私もそう思う。
 あ、調べたら、直木賞でもあるのね…
 「恋愛小説の要素もある」とはてな辞書にはあるけど、私はそうは思わない。女性の心情が書けていないことはないけれど、客観的な描写が少なすぎ、やっぱりこれは推理小説であって恋愛パートの比重は少ない、つまり恋愛の要素が平行しているのではなくあくまで推理小説を成立させるための「道具」にすぎないと思う。そもそも、元ホステスで、前夫のストーカーめいた行為に迷惑を受けていた挙句に殺し(これは最初に殺人場面が出てくるのでネタバレではない)、一方では素敵な男性にも惚れられ、石神には生涯をかけた愛を捧げられる靖子という女性の容姿がまるでわからない。本人の認識では大したことがない中年女(もっとも、深読みすれば女性においてはこの程度の卑下は逆に自負ではあるのだが)、周囲の人間の評価も、勿論一般的に言う美人ではあるのだろうけれどまちまち。一見キーに思われる女性の、容姿のみならず性格だってまともに描かれてはいないのである。ただ、倒叙形式かつ複数視点なので、彼女の視点のパートも必要だから心理描写があるだけで。やはり推理小説なのだ。
 それにしても…
 思いっきり地元の話なんですけど〜(笑)
 石神の行動範囲には私も行ったことはあるし、映画観るのも、オリナスが出来るまでは楽天地だったよ〜(てゆーかこの2ヶ所、おんなじ映画やってるけどね〜)。森下も篠崎もみんな地元だぁ〜。だから風景がほとんどは思い出せるね。
 森下に行かずにその先の駅の方が乗換えが少ない、ということは、湯川先生は清澄白河駅から半蔵門線に乗るんでしょうかね。
 映画はどこでロケしたんでしょうね…っていうか石神のビジュアルが全然違うんですけど!(そもそも湯川先生もだが…)」*p1*[日記]べたべたフィッシュ
 皮膚科に行って、薬疹(耳鼻科でもらった抗生剤。5年ぶり。先生曰く、1回目よりも2回目の方がアレルギーが出やすい=忍法穴ひらき、じゃなかった、アナキラフィシーみたいなもんで、でも2回目にしては出るのが遅いとのこと)かアレルギーでしょうということで血液検査と、注射(アレルギー止め)と、予想通りの薬をもらう。昨日弟(皮膚科医)に電話して、血液検査はしくてもいいかも?と聴いてたんだけど…。まあ開業医はね。するのよ。やると3,000円超すから。これはでかいやね。まあ、丁寧なんだ、ということにしておきましょう。しかし看護師や医者に「ハードですね〜」と言われると嫌になるな。
 で、しばらくは家事はしないでゆっくり休むように…というのが問題で。
 何故なら、
 これ以上サボりようがないからだ…(笑)
 いやむしろ、サボりすぎてたんで、ちゃんと目覚ましかけて旦那と同じ時間に起きてた矢先だったのね。もう前に旦那に朝食出したのがいつだか憶えてないよ。
 こんな私のどこに疲労が?ストレスが??
 まあね。5月の火傷に続き、またアレですよ、ステロイド全身ベタベタ。何か今年度は薬漬けだなあ。
 今日はあと掃除だけしたら、『容疑者Xの献身』でも読みますか。
 先日から図書館で借りて『BANANA FISH』を読み返しててさっき読み終わったんですが(来月舞台化したのを観るんで)、もう読んでたのが20年近くだったもんで、あーこうだったなあああだったなあと思いつつでした。年食ったのにあの頃とあんまり感想が変わらないってのがアレだなあ(笑)。でも、昔好きだったキャラが、「やっぱアッシュとは格が違うよ」と思ったのだけは変わったな。どっかの末っ子さんだよ。憎しみを自分の都合のいいように醸成する暇だけはあった坊ちゃん。憎む権利もあるけれど、少なくとも6歳まで君を愛してくれた両親がいたことを忘れているよ。両親が一番沢山君にくれた力(親が子に、一番意識しないまま、一番沢山与えているもの)を思い出せなければ、君はいつまでたっても幸せにはなれない。身近に君を「ほっとけない」と思ってくれる人が偶然いたことに感謝しなさい。
 でもなあ。清朝王家の血を引く一族が華僑ってなあ。あんまり結びつかないなあ。北方系だし。なるとしても崩壊時に本土を離れた「末裔」じゃなくて、相当前に分かれた一族って感じだなあ。あと、愛新覚羅家の人間が漢風の姓を名乗る時は「李」ではなくて「金」なんですけどね。まそんなことはどうでもいいか。商才に長けた人間が偽名の姓を名乗って幅を利かせてるってことで。でもむしろ香港が基盤なら明の遺臣とか末裔とかの方がよりそれらしいんだけどね。
 しかし、図書館には文庫では全部揃ってなくて、時々元のコミックスで所蔵されてるんですが当然切れ目が違う。だもんで、肝心な場面が2ヶ所ほど抜けてる(--;)。最初の方だと余りズレがないんですが、コミックスでは確か18巻のところを文庫だと11巻で終わってる(弟が全部持ってるけどね…)。あともう1冊番外編ね(この番外編の英二は何かスカしてて嫌いなんだけど、作者がシンの口を借りて=「(アッシュと英二には)性的(セクシャル)な関係は一切なかった」と言わせている=、F女子の攻撃を振り切っているのは見事だ!まあ他にF女子の好きそうなコンビはいくつもあるけど)。私はコミックスで全部持ってたんだけど大学の時後輩に貸して返ってこなくてそれっきり。やはり文庫で揃えるべきなんだろうか。100均で(←レベルの低い大人買い)。
 この作品、先日舞台を観た時近くの席になった人に聴いたのだが、やはりハリウッドで映画化の話が進んでいたのだが、主演予定の俳優さんが死んでしまってぽしゃったのだとか。もしかしてこれって有名な話で、私が知らなかっただけとかだったらごめんちゃい。
 それにしても、聴いた人皆口を揃えますな。
「あれをどうやって舞台化するんだ…?」
私もそう思います。ハイ。
 ただ、皆さん下手じゃないんで、舞台は舞台で楽しめるものになっているとは思います。今回はちょっと良さ目のハコなのでチケットは7,000円(当日7,500円)とちょっとお高め。
 小野賢章君(ハリポタのハリーの吹き替えもやってます)も出るので(劇団ひまわり関連の劇団なのでそのつながりで)、彼の役だけは推測できるんですが(笑)
 ↓って思ったら昨日から特設サイトが出来てて…やっぱ予想通りだった〜(笑)(でも他は結構「なじぇ!」だ。特にオーサー…想像がつかん…)
 http://www.blue-shuttle.com/banana.html