パトリシア・ハイスミス、佐宗鈴夫訳『妻を殺したかった男』（河出文庫）

妻を殺したかった男 (河出文庫)
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　救いようのない話。リプリーシリーズが「人を殺しても逃げおおせる話」なのに対して、この作品は「人を殺してもいないのに陥れられてしまう話」。うーん何でこういう話書くかなあ…という正直な感想は兎も角、確実に言えるのは、読んでいい気分になれる話ではないということ。まだリプリー君の方が、彼の視点で読むことになる読者としては面白くなくもないし陽性な部分もあるのだが、この作品は本当に全く救いがない。後味が悪くてもいいからどっぷりハイスミスを楽しみたい人はどうぞ。