P.D.ジェイムズ 青木久惠訳『灯台』(ハヤカワ・ポケットミステリ1800)

 あらためて、愛をこめて。
 ダルグリッシュ警視長は永久に不滅です。
 http://masamunet.seesaa.net/article/126322501.html
 なんつってたら本国では新作『The Private Patient』が出てる(笑)。2008年の本ですから、これまで通りのペースなら来年ぐらいには邦訳が読めますかね。
 ランダムハウス出版社内公式HP
 http://www.randomhouse.com/features/pdjames/
 あははは、すごいよホランド・パークのジェイムズ女男爵!

灯台 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
灯台 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)青木 久惠

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star次作があるのか?
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 自分にとっては久々――3年ぶりのP.D.ジェイムズ、そしてダルグリッシュ。第14作目(コーデリア・グレイものの『女には向かない職業』を第5作とした場合。ソロ作品なら13作目)。
 「そういえば」と検索して図書館で借りたのですが、原書は2005年、そして邦訳は2007年6月。
 …いや無理だって。その頃出産2ヶ月前よ(笑)。しっかしバタバタしてたんだなあ。その当時はその当時でちゃんと追っかけてるつもりだったのに、やっぱり2007年一杯と2008年春ぐらいまでので、逃してたのが未だにポコポコ出てくる。
 とにかくも、私のダルグリッシュ警視長への愛は、言葉では語り尽くせない(笑)
 このブログでも以前記事にしてます。もう大分前になっちゃいましたが。
 愛してる…vvv
 知性的でお上品で(詩集も出しているプロの詩人でもある)、余計な口をきかない。勿論上司の受けもいい…というか、よくいる一匹狼刑事(も、好きですけどね)のように何かと上司に逆らうよりも、黙って実力で一歩一歩確固たる居場所を築いて動じぬ男。デリケートな事件にいつも引っ張り出される、推理小説の探偵には珍しい超常識人(これはもう、著者自身が素晴らしく常識人なんでしょうなあ)。推理小説といえばヘンな探偵がつきもののように思われますが、どうして普通の大人の主人公じゃいけない!?いいじゃないですか、真面目なナイスミドル万歳!
 確かに、一見つまらない、可愛げのない人に見えますよ。でも、余り好きではありませんが今風の言い方をすれば彼も「ツンデレ」って奴でしょうか。表面では堅物で、事情聴取はオトナの上手さ。無駄のない行動。部下にも表面ではベタベタしないが心配りは完璧(部下だってそれにはバッチリ応える!)。そしてやっぱり、事件解決のためには密かにアツくなる、秘めたる情熱の持ち主。クライマックスでは、抑制のきいた描写からさえそのアツさが迸る。そこが快感!!たまらん!やっぱりオトナの楽しみですね。
 しかも、真面目な恋をして、”恋する男”としての姿も、年齢を超越して魅力的。
 もう、こういう人がモロバッチリ私の好みなんですね。声を大にして叫ぶ熱狂的ファンはP.D.ジェイムズには少ないと言われますが、彼女のファンなら、ダルグリッシュ同様、情熱を内に秘めるタイプなのかしら。私は叫ぶけど!愛してる〜!(笑)
 思えばもう、追いかけて6年以上になりますか。勿論全部読んでます。
 愛してる…から、この人に気になる存在ができた(『神学校の死』)時は、1時間ぐらい立ち直れませんでした(笑)(←こういうのを落ち込んだとは言わない)。
 でもショックでしたよー。例えどうにもならない、架空の人物だってわかってても、何も彼女作ることないじゃーん、作者ー。って思いました。思うでしょ。そりゃ。好きな人になら。
 さてそんな、3年も空いちゃった(年月なんてあっと言う間ね…)ダルグリッシュですが、だから、嬉しく借りてはみたものの…
 「P.D.ジェイムスだもんな…」「今っ回も分厚いんだろうな…」(←実際手に取ってるのに(笑))「今っ回も大変なんだろうな…」
と、読み始められずに1週間以上経ってました。
 しかし、家の中でどうにもこうにも他に何もできない日ができてしまって(それがこのブログの日付、21日)、この本を手に取り、ずーっと読んでました。
 そしたら。
 (ねたばれはしてませんが、詳しめの内容です。まるっきりまるっきりゼロで読みたい方はご遠慮下さい)