奥薗寿子『3時間睡眠でなんでもできる！』（サンマーク出版）
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「母・主婦・研究家として1日働きまくって、毎日毎日、最後にスイッチが切れた場所（家の中ですが）で行き倒れ、3時間ぐらい寝て、朝3時4時に眼が覚める」
という、（恐るべき）生活のこと。
「結果的に3時間になっちゃってる」わけです。
面白い。内容が面白い。文章が面白い（文章修行についても本書で触れられています）。
そして感動した。
と書くと、やっぱりありきたりだなあ。
何故この本を読んだかといえば、数々の料理番組を毎日録画しては書き取っているワタクシの、大好きな料理研究家のお1人だから。
自ら名乗られる通り、ズボラ。
でもそれは実は「無駄のなさ」だったり「手際のよさ」なんですよね。
ズバリ、「ズボラの前に努力あり」の一言。
裏づけのないズボラは、イコール怠け者。
しかし、根拠ありのズボラは、技の結晶！本当は、教えてもらうなんて勿体無いことなんですね。
この本を読んでわかったのですが、1000の研究や練習があって、結果として、「究極的には3でも5でもいけるよ」という風に編み出されたのが、この方のレシピなんですね。だから、ズボラこそ究極なのかもしれません。
「家の中バッタリ行き倒れ3時間睡眠生活」という衝撃の告白！に始まり、料理好きの理由、材料へのこだわりのルーツから始まり、波乱万丈の半生、その中には心を病んだ時期もあり、そして仕事を極めるためにバツイチとなり、ブレイクするまでが綴られています。でもって、文章が面白いんですよ。「3時間睡眠」という、漏斗の狭い口から入ってみたら、トンデモな深い内容だったという、あれよあれよと引き込まれてしまう本。
特に女性には、その中でも特に既婚で子供のいる人には、「あるある！」。
努力、思い切り、開き直り、挫折、人間関係、子育て、親や配偶者との関係などなど、女性が体験する色々なこと、迫られる色々な決断が詰まっています。
私も本当に、あるある！だし、私ももっとできることがあるんじゃないかと思ったり、ひたすら心に響く本でした。
とにかくこの方は学究肌で努力家なんですね。お父様が学者さんだったというのも、遺伝の点でも環境の点でも大きな影響だと思います。
ズボラは絶対にいきなり生まれない、と思いました。
読んでよかったです。好きな料理研究家さんの背景がここまでディープで、でもとても勉強になりました。
で、ズボラの背後にある膨大な知識、努力、研究、練習の結果…のズボラを、これからも参考にさせて頂きます。
私が一番好きなこの方のメニューは…（ムニャムニャ←秘密。フライパン1つでできるのに、味わいは深いし子供も食べやすいし材料も安いレシピです）
この本もすっごくよかったです。特に子育てと仕事の両立に苦労なさるくだり。
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