得能史子『まんねん貧乏』、『まんねん貧乏2』(ポプラ社)
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食うには困らない程度の貧乏っていうか、本人が至って楽天的なのでねぇ(笑)
やたらと何でも手作りしてしまう人で、その手作りしたものの失敗談が結構多い。私は、そもそも手作りしたらまず失敗するとわかっているので買うタイプなので、失敗してもしても作り直してしまう著者の心理ってのは正直わからないのだが、この「失敗」とか「ミス」を、作中では「そつ」と言っている。「そつがない」の「そつ」である。そういえば、この「そつ」って、「そつがある」という言い方はしないですよね。うん。「ミス」を「そつ」と言ってみると、何でこんなにいいんだろう(笑)。「ミス」は、「しちゃいけないもの」なのに、「そつ」だと、「あぁ。」と脱力するっていうか、「それも想定内」みたいな、妙に大らかに気分になれる(笑)。
絵も、100%可愛いだけの絵柄じゃないのに、何でこんなにいいんでしょう(笑)。ちょっと黒いんですよ。あと線に無駄がないのに、手先や足先の微妙な表現が上手くて、ツボに嵌る。
ただ、『子宮、応答せよ。』を先に読んで、著者の子宮筋腫による著しくQOLの落ちていた状態を知って読むと、この『まんねん貧乏』2冊では、そういうことがまるっきり書かれていないことにやはり驚く。テーマを「貧乏っぷり」に絞るためとは思うが、担当編集者も当時はまだ何も知らなかったのか、とか、敢えて描かないことへの葛藤とかはなかったんだろうかとか、結果論ではあるがつい色々考えてしまう。3作目のことは考えないで楽しめばいいのだが、知っていると、この3作は見事な三段オチになっていると思えちゃ…いやオチじゃないんだってば。いや無理矢理三部作にしてみたりして自分の中で。そんなことはどうでもいいか。
さて、貧乏、体験記ときて、更なる飛躍はあるのだろうか?恐らく『子宮〜』はかなり(『貧乏』よりも)売れると思うし、『貧乏』もそれによって認知度が増すのではないかと思うのだが、印税生活は貧乏を変えるのか。でも、私は、変わらない「そつ」っぷりを今後も楽しみにしている。
子宮、応答せよ。−−筋腫警報発令中 | |
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