奥薗寿子『奥薗寿子のほのぼのほどほど「家庭料理の実力」』(集英社be文庫)

奥薗壽子のほのぼのほどほど「家庭料理の底力」 (集英社be文庫)
奥薗壽子のほのぼのほどほど「家庭料理の底力」 (集英社be文庫)奥薗 壽子

集英社 2005-01-20
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おすすめ平均 star
star料理へのスタンスは仕事にも通じる
star小さいけれど中身はギッシリ
star泣けちゃった

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 …この本、何でうちの区の図書館にないの????
 奥薗さんの本は沢山所蔵されています。でも多分、この本1冊だけだと思うのです、所蔵されてないの。
 もしかして、全く別の著者の、同じく『家庭料理の底ヂカラ』という本があるので、「おんなじような内容だろ〜?」と思われたのか??
 だったら、自分の住んでる区だけど、「バッカじゃね〜の?」と言いたい。いや心の中で言っておく。(E.D.ホックの『怪盗ニック対女怪盗サンドラ』を、「YA(ヤングアダルト)」に分類したという前科もあるしな…)
 まあ何故のっけからこんな文句をタレているかというと…
 ズバリ…
 他の区から取り寄せてもらってまで読んだ甲斐はあり…!
 読み終わって、さっきソッコーAmazonに注文したからです…!
 私にもう少しお金があれば、もう1冊買って最寄の図書館に寄贈したいぐらい…!
 先月読んだ『3時間睡眠で、なんでもできる!』で、奥薗さんの真の姿―「学者の父&料理嫌いの母の申し子、学級肌のスーパー主婦未だにアシスタントなんかいないんだぜ超ロジカルズボラー」(この長いキャッチフレーズ、勿論私が考えました(笑))―を知って、この人の料理が好き!のみならず、生き方を尊敬するようになりました。
 だからこの本も凄く楽しみにしていたんですよ〜。
 そしてとっても、いい本でした。
 子育ての部分を特に期待していたんですが、その期待にたがわず、ほっとしました。
 ホントに、読んでよかった〜。
 奥薗さんの息子さん同様、うちの子も偏食な上に、総量としては多分余り食べていない方なんですが、元気なんですよね。これも奥薗さんの息子さん同様、私が手作りしたおやつに限って食べてくれなかったり(注:決して変なものは作ってません!蒸しパンとかホットケーキとかです)。でも、無理はしなくていいんだな、「一緒に過ごす時間を楽しくする」ことが一番大事なんだな、とあらためてわかったり、色々。本当に、「ほのぼの」は「ほどほど」から生まれるんですね。
 仕事を始めたばかりで必死な頃に子供に手がかかったり、何とか子供たちに美味しく楽しく食べてもらおうという努力、しかしそれもいたちごっこ…。そして息子さんの反抗期…。私にも凄くリアルな話で(いずれ仕事に戻りたいので)、参考になりました。
 彼女は、最初から手抜きをしていたわけではなく、いつでも「最善」を求めて、最大の努力をした末での「悟り」としての「ズボラ」。私は彼女ほどの努力はしていませんから、「お手本にする」のはおこがましい。まだまだあくまで参考にさせて頂き、日々真面目に生きたいと思います…。と言ってみる…。
 「お料理の先生」が、昔の二極化=「料理学校の先生タイプ」または「いいところの奥様」でなく、「簡単スピード」「庶民派」になってきた、とばかりは単純に言えないのですが、奥薗さんは後者であり、しかもそれが実に自然体だからいい。逆に言うと、庶民派とか気楽さを装ってバレてる先生ってのも、結構いると思うんですよねえ。具体名は挙げませんが。(あと、政治家同様、気がつけばTVに出ている料理の先生も2世だらけ…それがいいのか悪いのかはわからないけど…)
 現在、世に料理の女先生は多かれど、これほど学級肌な人はいないんじゃないかなと、その点が個人的に非常にツボなのが一番ですかね。理論的裏づけのある人を信じるタチなので。
 実は、奥薗さんの料理でも、「これはちょっと…」というものは、1つだけありました(でもそのレシピ自体、かなり無責任な、所謂「家庭の医学番組」で、食事で何でも解決できる的な流れで依頼されたものだったので、彼女だけの責任でもないかも…)。しかし他は全部、本当に、簡単にできて効果抜群。我が家の定番にしたものもあります。
 この本にはレシピもカラーで載っていて、乾物の驚くような使用法・手早くて美味しいおかず・簡単にできる手作りおやつの3ジャンルなのですが、乾物もので2つ、おやつで1つ、本が届いたら、早速作りたいレシピがあります。 *p2*[日記]土井善晴先生有難う
 今日作った肉じゃが。今まで作った中で一番美味い。
 
 「土井善晴おかずのクッキング」の、「水を使わない土井家の肉じゃが」(6月11日放送分)。
 写真ではわかりにくいですが、実にいい色なんですな、これが!
 ずっと作りたかった、これぞ肉じゃが!という味。
 ポイントは、正に、水を使わないこと(レシピでは新玉ねぎでしたが、売ってなかったので普通の玉ねぎを使いましたが問題なし)。そしてぴっちり蓋のできる鍋を使うこと(テフロンと、偶々ぴちっとサイズの蓋があったので使用)。
 和食なのに、ほっとく時間があるので、意外にラクでした。圧力鍋を使わなくてもこんなに速く火が通るとは!
 あと、ケチらないで牛肉を使うことですかね…ズバリ、出来上がった味は、「すき焼き」のあの甘辛さ。これは牛肉の方が合います。味が締まる感じ。
 あと、太い青葱。これがこんなに合って、美味いなんて!
 私が肉じゃがの具で好きなのは、しらたき→牛肉→じゃがいもの順。なのでしらたきは外せません!
 ちなみに今までの一番は、ビギナーズラック、即ち初めて作った時の(笑)
 番組HP。但し材料のみでレシピなし。
 http://www.tv-asahi.co.jp/okazu/2009/contents/bk/0611.html
 1)しらたきは茹でて水に取って切る
 2)じゃがいもを炒める→透き通ったら玉ねぎ投入→なじんだらしらたきと牛肉を散らす
 3)酒、みりん、砂糖を入れ、混ぜなくていいので蓋をして20分(心配なら時々覗いたり、肉を返す)
 4)じゃがいもに火が通ったら醤油投入、10分弱火
 5)青葱投入、蓋をして3分蒸し焼き
 (本当は「レシピはテキストを買って読みなさい」なのでしょうが…まあこの手順で、その通りにできなくても責任は持ちませんということでお目こぼしを)