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ぼくの浅草案内 (ちくま文庫)
ぼくの浅草案内 (ちくま文庫)小沢 昭一

筑摩書房 2001-10
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おすすめ平均 star
starフタ昔前の、浅草の雰囲気満載

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 表紙の、かつての都電の写真だけでもうイカレてしまう本である。中のデータは勿論今では(電話番号や店の種類など)古くなってしまっていてほとんど使えないが(石碑、建物の類も今はどうなっていることやら)、浅草の範囲がどのあたりとか、エリア毎の雰囲気などがよくわかる。特に、石碑めぐりは是非してみたいものである。
 都電の話ばかりで申し訳ないが、今日偶々、神田ではなく近所でかつて都電が走っていた道をチャリですっ飛ばしたのである。
 家の裏からナナメに、現在の地図で見ると不自然に、少しカーヴしながら走っている道は、なるほどかつての都電である。その都電さえ残っていれば、家のすぐ裏から3駅ぐらいで子供を1.8キロ離れた幼稚園に入れられるのに…(その幼稚園には園バスがない!)
 戦災で都電が壊滅してからは、バス路線が余りにも緻密に走り、とうとう都電は復活しなかった。いつも計画だけは、今でもあるらしいが。
 大きな駅に向かってその細い道を走っていると真正面が東京スカイツリーだ。青地に白文字の、道路の案内表示を見ると、右に曲がれば東向島なんて書いてある。そうかこのままウッカリあと2、3キロ走ると玉ノ井に出てしまうのだな、と焦りながら、幼稚園までの時間を測った。(東武線の玉ノ井駅は現在の東向島駅である)
 途中に、昭和の薫り高い商店街もあったりした。
 東向島(幸田露伴が30年住んだ町)、かつての玉ノ井も、何とまたスカイツリーで盛り上がっているという。あの玉ノ井がねえ…と思う人もいるだろう。
 とりあえずいつかは百花園にでも行ってみたいものだ。