W杯小ネタ

その1 悶手根苦労

 W杯で今、旋風を巻き起こし…ているのか微妙な、セルビア・モンテネグロ。こういう、国が大変なところは、私もSGA851様同様、クロアチア同様(漢字では苦労熱家と書く←ウソ(c)SGA851様)、どうしても肩入れしちゃうってもんで。その肩入れをしても負けてしまうんだけど。
 しかも、この国名で出るのは最初で最後、もうじきかたっぽも更に独立して「モンテネグロ共和国」に。(いくら民族自治とはいえ、細かいね…スポーツの世界では、ソ連崩壊後のウクライナの苦悩をはじめ、個々人が大きな大会に出る機会を犠牲にした民族自治、と言えますな)
 実は、私がこの国の名前を知ったのはレックス・スタウトの「ネロ・ウルフ」シリーズ。『我が屍を乗り越えよ』でウルフ自らが、自分がモンテネグロの出身であることを明かしている。勿論書かれた当時、地上にモンテネグロという国は存在しなかった。失われた祖国、本来ならこの名前で存在する地方、民族としてウルフは懐かしんでいるわけです。
 だもんで、「セルビア・モンテネグロ」という国ができた時は、
「うわー、ネロ・ウルフもびっくりや」
とズレた驚き方をしたもんです。その上、モンテネグロだけになっちゃうなぞ、まさしくウルフも予想だにしなかったに違いない。
 映画『ブレイブ』でジョニー・デップとマーロン・ブランドのコンビを観た時は、
「うわー!!!この2人にネロ・ウルフとアーチーをやってほしいっ!!」
と思いましたね〜。この映画はグレゴリー・マクドナルドの原作(すっげぇ悲惨)をジョニー・デップの監督、主演で映画化(何か美しい話に)したもので(これもAmazonレビューしました)、ジョニーは尊敬するブランドと共演できて感激とのこと。この2人の2ショットって、実際すごくいいですね。だからこのまま、イケる!と思いました。マーロン・ブランドの体型も威厳もまさに美食探偵ネロ・ウルフ、口八丁手八丁で身軽で女性にもモテモテのアーチー・グッドウィン君(ウルフは自宅を一歩も出ず、このアーチー君が手足となって駆けずり回る)は若き日のジョニーのイメージそのまま。ただ、実現する前にブランドは亡くなり、ジョニーも歳を取ってしまったのでした。まあ、ネロ・ウルフそのものは、確か「グルメ探偵ネロ・ウルフ」というタイトルでスカパーで放映してるんですけどね。
 ちなみに、このネロ・ウルフ、シャーロック・ホームズの隠し子ではないかという噂も。ホームズ研究本も全部読んだのでどれに載ってたかは忘れましたが、となると当然母親はアイリーン・アドラーであり、彼女はアメリカ生まれでヨーロッパで活躍、『ボヘミアの醜聞』のラストでは再び大陸へ。何故モンテネグロ?しかしその後を舞台にしたパスティーシュでは確か再登場してたり殺されたりしてたような。まあ色々あったんでしょう。
 ネロ・ウルフシリーズはまだ未訳のものが残っています。邦訳は早川のポケミス、文庫、及び光文社文庫。スタウトでは最近、女性探偵のシリーズ、『手袋の中の手』も、ポケミスから本邦初訳。
ブレイブ
ブレイブ

その2 殺人も起こる大会

 サッカーの王様ペレは、『ワールドカップ殺人事件』という小説を書いたことがあります。まんまや。(読んだのに内容を憶えていない…。)
ワールドカップ殺人事件