ブラウン神父と関連書籍

 チェスタトンという作家は、このシリーズのほかにも短編集『ポンド氏の逆説』、『詩人と狂人たち』を書いているほか、アンソロジー『探偵小説の世紀』(上・下)を編集。2つの短編集もブラウン神父シリーズ同様、本当に唸ってしまうような一品揃い。推理作家というより、寡作ながら作家としてすごいのかもしれない。全て創元推理文庫から出ている。オススメ。
 ホームズ物同様にパスティーシュ(設定を借りたパロディ)も出ている。
 芦辺拓編『贋作館事件 ブラウン神父の日本趣味』(原書房、1999年)がそれで、表題作がブラウン神父もの。この本は、ホームズが「二子玉川園」駅から「中央林間」行きの電車に乗ったりする(しかも、それに対する何の説明もない!!!!)というすごい作品(確か霞流一さんか柄刀一さんだったような)や、明らかに某美少女アニメのパロディである推理小説などが含まれ(読んでもちっとも元ネタがわからなかった…)、色んな意味でものすごいアンソロジーである。
 井上ひさし編『「ブラウン神父」ブック』(春秋社、1986年)は唯一の研究書?で、神父ファンの作家、実際に翻訳に当たった翻訳家などのエッセイが詰まった一冊。多分絶版だが、図書館にはある。
贋作館事件
贋作館事件

『ブラウン神父』ブック
『ブラウン神父』ブック