恋と王冠

エロール・フリン シグネチャー・コレクション
エロール・フリン シグネチャー・コレクション

 えーと、エロール・フリンを観た、のではなく(笑)このコレクションの中に入っている「女王エリザベス」を単独で借りて観たのです。通信レンタルしてると、「本命」のDVDの順番待ちの間に、こうして「押さえ」的なDVDがちょくちょく入ってくるので。
 日本未公開。リマスタリング版で、画像はきれいになってます。
 エリザベス1世と、その重臣で愛人のエセックス伯ロバート・デヴルーの愛と死を描いた映画。
 何たって、原題は「エリザベスとエセックスの私生活」。あはん。
 言うまでもなく、ハンサムなロバートがフリンでございます(しかし女王は、レスター伯ダドリーといい、「ロバート」という名前の美形が好きねえ)。確かにハンサムでございます。
 しかし、女王は既にバアサン(失礼!)なのであります。
 で、この2人が痴話喧嘩と仲直りを10回ぐらい繰り返し、挙句にロバートは断頭台送りという話(笑)。
「何なんだ、君らー!!!」
と5分ごとに叫んじゃいました。
 でも、実は少しずつ少しずつテーマが明らかになってくるドラマで、ラスト15分ぐらいは本当に切なかったですね〜。
 2人が本当に愛し合っていることは、「喧嘩&仲直り」をこれでもかというほど重ねていくうちに、観る側にもようく伝わるしかけになっている。でも若さゆえか、どうしても野心抜きに愛を語れないロバートは、愛と共同統治権の両方を求める。誇り高く真っ直ぐな若き貴公子は、確かにお素敵でしたわ。一方、自分の年齢を意識してしまうし、どうしても彼を信じきれず、何よりも国が第一の女王。とうとう最後まで素直にただ愛しているとだけ言うことのできないロバートは、国を預かる身から見れば王位を狙う反逆者。命乞いをして欲しい女王に対して、「僕が生き残れば、いずれ王位を巡って争うことになる」と死に向かうロバート。
 …どうでもいいが君らさっさとせいや(笑)ということで、結局死ぬんじゃねえかよ!まで1時間46分。
 あ、申し遅れましたが、すっごく古い映画です。「テクニカラー」とか言ってます。遠景が物凄くウソっぽいとかは気にしないで下さい。でも、衣裳とアクセサリーとセットが物凄く豪華!!!毎日あんなドレス着てたら大変だなあと思います。あと、男性陣のタイツ(笑)細くて長い足だからこそ似合うのねえ。やっぱアレですよ、コスチューム映画の似合う美形っての、いいですねえ。兵装としては膝上までのブーツを履くのですが、これも短足じゃあ似合わない。
 字幕は…まああんなもんでしょう(笑)Amazonカスタマーレビューには、「日本の翻訳技術の低さを感じる」とありましたが、この程度でギリギリかなと。
 本当にイギリスのこういう話って「台詞劇」ですね。とにかく頑張って台詞を言う。台詞が一番。いかに台詞を自分のものにするか。そこに演技が自然に伴うという伝統。でもって、英語でしかできない受け答え、特に、「受け」る方の台詞は、確かに日本語にしたら「ええ」とか「そうね」とかしかできないって(笑)あ、イギリス英語の方が聴き取りやすいんで、字幕を見ながら大体聞き取って、まあ字幕はもうこんなもんで限界でしょうと思いました。