山口瞳『酒呑みの自己弁護』(新潮文庫)

 酒呑みの話は、酒が呑めない人間にもどうしてこんなに面白いんですかねえ(笑)。別に人の失敗談を笑うって意味ではなく、失敗して反省したりしなかったり、まあとにかく、呑む日々ってのは傍から見ても面白い。
 山口瞳さんというとお名前はよく知っていて、でも先年亡くなってもまだ作品は読んだことがなく、この本が初山口。小説の方はどうなんでしょうか。面白いんでしょうか。ちなみに何で今回この本を知ったかというと、吉田健一さんの、新潮社の本の巻末の宣伝に載っていたので。
 山藤章二さんのイラスト113点!も実に面白い。元々『夕刊フジ』のイラスト付き連載ということで、肩が凝らず実にいいですなあ。
 この山口さんは元々サントリー宣伝部の社員。サントリーといえば開高健…と思っていたら、何と山口さんは開高さんが忙しくなるので補充として1名採用!に応じて合格した人なんだそうな。サントリー恐るべし。
 でも、このサントリー、ウィスキーはともかく、ビールの方では、参入ン十年にして今期初めて黒字になりそうなんだそうです。意外。