酒が先か卵が先か

 前の記事の『酒呑みの自己弁護』を読んでいたら、
「酒が呑めない人は、人生の楽しみの半分を損している」
と書いてあった。
 これって、田村隆一さんも同じこと書いてるんだよね(笑)。酒呑みというのはとかくこういうことを言うものなのかもしれない。つーか、みんな、すぐ言うね、自分の好きなことを誰かが嫌いだと、「人生半分損してる」とか。
 そんなに簡単に損するもんかい。私は酒は呑めない方だが別に十分人生は楽しいぞ。頭では酒が好きなのに実際には身体が受け付けないだけだぞ。
 まあつまり、そんなに簡単に人の人生を云々してほしくないもんだ(笑)
 私は生卵も嫌いなので、卵かけご飯(子供の頃は平気だったのになあ)はダメだし、ゆで卵は半熟かハードボイルド、目玉焼きも同様。で、これも、このことを最初の会社にいた頃同僚に話したら、
「人生を半分損してるでー。」<関西人。
 余計なお世話じゃ(笑)
 以前、アニメ版の「サザエさん」で、「クリスマスに卵の殻にロウソクを流し込んでキャンドルを作る」という話の時、カツオ君が、卵の細い方の頭をちょっと割って「中身をチューッと飲んで…」と言いながら飲むシーンには、
「ギャアアアアアアアアアアア」
 …そういえば昔、「スマスマ」でもやってましたねえ、エッグポーカー。あれは…飲む人に同情しましたねえ(笑)
 ところがこの卵がまた酒と関係があって、吉田健一さんによれば、トマトジュースとウスターソースを混ぜたものに生卵を落としたものは二日酔いの特効薬だそうである。
 彼はこれを偶然知ったのだが、彼が育った英国では元々、この処方+タバスコは、二日酔いの特効薬として知られている。P.G.ウッドハウスの”執事ジーヴス”シリーズには、ジーヴスが、初めてご主人様ウースター卿のお屋敷に勤めに上がった朝、これを作って一瞬で信頼を得るというシーンもある。(ちなみにこのジーヴス&ウースター卿は、日本では近年ちゃんとした翻訳がまた出始めたが、本国ではコンビ物としてはホームズ&ワトスンに次ぐ人気で、世界的ベストセラーである)
 まー、あたくしには、愈々縁のないお話のようで(笑)