山口瞳さんの続き

 ところで、私は「山口瞳」と打とうとしてつい「山口椿」と打ってしまうことが多い。これは単純に、読んだのは「椿」さんの方が先だから。でも本の方向性は全く違う(笑)。「椿」さんの方だと『闇の博物誌』(Amazonにつまらんレビューしてます)。これ、ワタシ、マックでハンバーガー頬張りながら読んでました。死体写真満載なんですけど、気づいた時には食ってたんだからしょうがない。
 さて、今週も「瞳」さん(プロフィールに特に「本名」が書いていないので、これが本名だとすれば、男性としては珍しいですね)の続き。『会社の渡世』、『私の読書作法』(いずれも河出書房新車)、『新入社員諸君!』(角川書店)なんかは、職場での心構えや人間関係の罠、組合の内情などが書いてあって、是非相方にも読ませたい…と思ったのですが、自分が他の本を借りたいので返しちゃいました(笑)。でも社会に出て悩んでいる人にはオススメ。今は20年30年ほど前よりは会社もドライになってますが、役立つ部分は多いと思います。
 同じような内容で、『諸君!この人生、大変なんだ 新装版』(講談社文庫)も、あああのサントリーの広告はこの人だったのかと、今更懐かしい。仕事の姿勢、男の生き方。いいですねえ。これも相方に読ませたいなあ。
 この『諸君!』には、串田孫一さんのカッコよさが書かれていました。この串田さんも、私は小学生の頃からの大ファン。ブログにも日記にも何度か採り上げています。自分の好きな人が好きな人を褒めているのを目にすると本当に嬉しいもんですね。
 串田さんの本は、昨年、久々に読み返したり持っていなかった本を読み始めたら、亡くなったばかりだと知り、やはり”呼ばれた”のかなあと思ったものです。この人のエッセイも本当に素晴らしいですよ。考えてみれば、山口さん田村さんのほぼ同年輩かな? 
 そうそう、田村さんと言えば、『江分利満氏の華麗な生活』(新潮文庫)に登場。この江分利満氏はほとんど山口氏と思っていいもので、微妙な実体験小説へ田村さんは堂々実名で登場し、優れた容姿と度胸を生かし?呑み逃げの梯子を実演。流石です。
 山口さんが書いている時代の女子社員(当時はOLではなくBGと言いました。懐かしいですねェ)は今とは大分違っているかもしれないけど、真面目にきちんと仕事をしなさいという語りかけを読んでいると、自分ももうちょっと、それこそ、山口さんの言うように最低3年は最初の会社にいればよかったかなあとか、そもそも卒業時に真面目に就職活動して大きな会社に入っておくべきだったかなあと思います。私は最初の会社(結局正社員はここだけ)を1年7ヶ月でやめてしまいました。でも自分が世間で何ほどのことができるかといえば何もできないのであって、だったら、その会社で頑張って学び、自分の力で何とかするぐらいでいればよかったのかもしれません。結果的にその会社は数年前に潰れました(私がいても役立たなかっただろうけれど)。せめて、どうせあの時やめたなら、何故ちゃんと勉強してもっといい会社を受け直さなかったのか。女に生まれていなかったら、こんな自堕落な生き方はできなかったなあ。
 若い人よ、後悔しないように頑張って下さい。(エラソー)