石をウムムムム(3)

 それにしてもだな…
 「眠いのに、横になって眠れない」
ってホントに辛いぞ。
 身体は無茶苦茶疲れてる。しかも今は普段より疲れてる。寝る時間も早いし起きる時間も遅い。
 なのに…
 布団に横になって暫くすると、ズンズンズン、と鈍痛が始まる。
 すぐに痛みがピークに達して、「痛い痛い痛い」と起き上がって転がる。
 こういう夜が続くと、じゃあ何とか鈍痛のうちに眠れないか、なんて考えるようになるのだが、勿論そんな器用な真似はできず、痛くて眠れない。眠れなくては困るのでとうとう電気をつけて痛み止めを飲む。でも効くのに2時間ぐらいかかるような感じがした。結局、痛み止めって、効いたというより何とか気持ちを落ち着かせて、そのうちに力尽きて寝たという方が正しいと思う。
 元々、今飲める痛み止めは強いものではない。普段なら、座薬が一番速いし、注射でも何でもできるし、もっと確実な痛み止めがもらえるのだが。
 人っていうのは、眠れないほどの痛みがあっても、そこから更に痛みに耐える体力が尽きると、結局寝てしまうということがあるらしい。
 何とか薬を飲まずに寝られないかと試行錯誤もした。うまくすると、どんなに痛かろうが、薬を飲まずにいれば身体の方が慣れるかもしれない。5ヶ月も鎮痛剤を飲み続けて安全という治験などないのだ(というか、そもそも薬なんぞ動物実験しかしていない)。横になれないなら、まずは幸い大きなクッションが2個あるので重ねる。でも角度が足りない。90度に起き上がっていないとダメなのである。壁にクッションを立てかけて寄りかかる。そうすると、疲れているので、座っていてもほどなくこっくりこっくりする。また数分して、首と腰が痛くて目が覚める。 
 乗り物の中では眠れない人なのに、新幹線とか飛行機のリクライニングチェアが1つあったらなあと心底思った。
 もしあと5ヶ月この状態が続くのだったら、マジで、安い通販で売ってる簡易ベッド(背の角度が調節できる)でも買って、高い角度にして寝ようと思った。これからはあったかくなるから、布団がずり落ちてもそうそう風邪を引くこともないだろうし。
 同じ、壁にクッションを立てかける形でも、背中ではなく肩をつけて横向きに寄りかかると少しは楽だ。
 結局、疲れて横になってはまた痛くなり…を繰り返すのだが。
 薬を飲まなくても明け方には力尽きて、2時間ぐらい寝ていた。一昨日、水曜の夜がそうだった。
 いや本当に。同じ痛いにしても、せめて横になって寝られる痛み方にしてほしかった。
 しかし私のなんぞはまだ「痛い痛い痛い」って言って泣きそうになってればいいんで、他の人の体験談よりはマシな方みたい。「脂汗」「冷や汗」「死ぬかと思う」「吐く」は常道、「痛みの余り壁にガンガン頭をぶつける」とまでなると…怖い。