4月末から昨日までの記録

 ・清水義範さんの学問?シリーズ。『どうころんでも社会科』『もっとどうころんでも社会科』『おもしろくても理科』で一通り終了。
 ・杉本苑子『影の系譜 豊臣家崩壊』(文春文庫)
 秀吉の姉の眼で描いた豊臣家の絶頂と崩壊。しかし『春日局』、『穢土荘厳』といい、この人の「あら〜ん」場面の描写って、ちょっと品がない…。いかにも「独身女の欲求不満」とか言っちゃうよ。
 ・杉本苑子『小鳥の食卓』(中公文庫)
 このエッセイは面白かったです。
 ・愛新覚羅恒イ(字が出ない)、李珍・水野衛子・横山和子・佐野ちなみ訳『世紀風雪 上 幻のラスト・エンペラー』『世紀風雪 下 清朝皇族の末裔達』(NHK出版)
  世紀風雪 (上) 世紀風雪 下 (3)
 著者は皇帝になれなかった最後の皇太子のひ孫にして画家。清朝末期から自分の人生までを小説仕立てで。この小説仕立てってのが時々辟易することもありました。やっぱりちょーっと、ご自分の一族とご自分を美化してませんかー(笑)それにあの時代に苦しんだのは元皇族ばっかりじゃなく、そもそも一般人は正に塗炭の苦しみだったわけで…って冷静に考えちゃいけないのかな。でも、やっぱりついつい迫力には圧倒され、1冊読み始めると最後まで一気読みしてしまった。つまりこれで夜更かしが2晩。
 ・伴野朗『三国志 孔明死せず』(集英社文庫)
 三国志 孔明死せず
 こんな「ifもの」ってド久々。私が年を取ったのか…。しかし伴野さんなのだ。この人は信用が置けるのだ。というわけで、まあ許せる範囲のイフでありました。柴錬三国志といい、何故か表紙はこの百鬼丸さんが似合う。
 ・中田耕治『異聞沖田総司』(大陸文庫)
 これもイフなんだけど、これまた著者が信用できるので。流石中田さん、このジャンルで見事。現代批判あり麻雀あり野球チームありパスティーシュあり、清水さんのご先祖みたいなハチャメチャにして素晴らしい幕末物語。でもって官能描写が上手い。エッチぃのに恥ずかしくない。こういう作家って少ないです。
 だけんど残念なことに、某女性漫画家Oの表紙絵がこの作品の価値を地べたまで落としてます。出版社の気が知れません。