池之端藪蕎麦

 ついに行きました、「池之端藪」。ちなみに、今まで上野でいつも通っていたのは「上野藪そば」。紛らわしい(笑)。神田の藪が祖父、池之端のが息子、上野藪が更にその息子らしいんですが(池之端藪の創業者が並木藪から独立。一方、神田藪の暖簾分け第一号が上野藪…って全然わからん!)。
 上野藪もアメ横手前の、余り風紀のよろしくない場所にありますが、池之端はもっとだった(^^;)。渋谷におけるい「中央街」(「センター街」に非ず)っていうか。モロに、夜になると一変する区画にあります。
 「天ざる」を注文(ちなみに、「天せいろ」はありません)。
 この量の少なさ!!!!!!(号泣)
 「ざるに盛ってある」んじゃないの。「ざるをひっくり返して貼り付けてある」の。せいぜい3かすり4かすり。
 お代わり蕎麦(つゆなし)550円を追加注文するのが暗黙のルールらしく、相方が注文。まあ、元々蕎麦というのは「2枚単位」が決まりとはいえ、今の世の中でちょっとこれは…。
 
 蕎麦は、「まつや」に比べるとかすかに柔らかい感じですが、実に美味。でも、「冷たいそば」なのにつゆがあったかいのが微妙。冷たい方が嬉しかったなあ。
 天ぷらは、海老のみの掻き揚げ。上に細かい天かすが盛ってあり、つゆに入れる量は各人お好みってことでしょうか。私は全部落として本体のみにして食べましたが、素晴らしく美味しい。衣はサクサクなのに海老は大ぶりのがぷりっぷり。
 でも…このままの器、つまり油ぎっちょんちょんのつゆで蕎麦湯を飲めってのは不可能なので、お猪口を別にもらいました。
 この蕎麦湯が、蕎麦湯だけでも実に美味しい。
 結論としては、余りに量が少なすぎるのが不満。総本店なら、同じ値段の天ぷら関係蕎麦で、せいろが2枚ついてきます。
 あと、縦長のお店の奥に店員さんがズラッと客の方を向いて立っているので、客はやたら気詰まり。特に、平日ということもあってか、店員より客が少なかったので、非常に食べにくかったです。店員さんの感じも、「まつや」が最高、ほぼ同率で浅草・並木の藪。若いお姉さん店員もおばちゃん店員も、押し付けがましくないのにスッと心遣いをしてくれる、そのプロさが「まつや」、年配の店員さんが多くて落ち着くのは何と言っても上野藪と並木。
 ちなみに、このお店のすぐ手前に、これまた池波正太郎ご推薦の「蓮玉庵」もあります。雁首揃えてこの風俗ストリートに…ストリートの方が後で発展したにしても、余りにも酷なロケーションだわ。
 蕎麦の量が少ないので、マジで梯子すればよかった。ちなみに蓮玉庵だとせいろ3枚1,000円と張り紙がしてありました。
 座敷の壁には噺家さんの「寄せ書き」ならぬ「寄せ絵」がかけてあり、志ん生はお得意のネタ「火焔太鼓」の絵でした。
 というわけで、依然として私の中の有名蕎麦店ランキングは、
 1位)まつや
 2位)上野藪そばと浅草並木の藪が同率
 3位)なし
 です。