7/26〜27

 中野翠『犬がころんだ』(文春文庫)
 辛口すぎてちょっと…なところもいくつか見受けられるが、面白かった。
 大いに同意、という所は沢山あるが1つだけ。
 サッカーを応援する人を「サポーター」と呼ぶことの気色悪さ。私も同じように感じていて、この本で理由がよくわかった。そうだ、「サポートする」なんて言って、プロとファンの境を曖昧にしていくことが気持ち悪かったのだ、とズバリ言ってもらった。うん、選手は選手で、ファンはファンだよ。私は自分がサッカーファンかサポーターかと言われたら、間違いなく「ファン」でいい。というか、「サッカー側の人たち」って、「ファン」を一段低く見てるって、自分で言ってるようなもんだよね。
 この「サポーターと言い換え問題」の後も、今まで「コート」や「グラウンド」と言っていたものが突如「ピッチ」になったりという、やたら次々と、呼び慣れた呼び名が変わっていくという現象があり、それも私には不満だ。この、サッカー独特の用語浸透作戦は、「他のスポーツ、特に、ダサいプロ野球なんかと違うんだかんね」という、サッカー側のエラソーな気分があると思う。
 あと、国際試合とJリーグでは客層が違い、前者の方が元々サッカーを愛していた人たちだった、というのは初めて知った。今ではもうサッカーというものが少しは日本にも浸透したので、客層はほぼ同じになっているだろうけど、意味はわかる。私も、小学生の時、「読売クラブ日本鋼管」の試合を観に行ったことがあるから。マジで、「等々力サッカー場に客10人」だった。でも、そのファンたちは、ずーっと、立ったまま、キンキンココンキンキンキコンコン、と、あの何というのかわからない金属楽器を鳴らして、ラテンのノリで応援してました。今でも、あの人たちは、あのJリーグ発足当初のバブル状態当時、どんな気持ちでいたのだろうと思います。
 もひとつ。
 山田風太郎と対談できたなんてうらやましい!!!!!!!