一発あだ討ちフリージ屋〜「フリージア」

 フリージア
フリージア

 うーん。
 玉鉄と西島秀俊どのの夢の共演、ということで(というだけで)借りてみたけど、ホントにそれだけの話だった(笑)。
 治安が悪化した近未来の日本。(多分)それなりの理由があれば、「仇討ち」が許される「仇討ち法」が施行されている世の中。「仇討ち代理事務所」というのがあって、仇討ちの執行人を依頼したり、狙われた方は「警護人」を頼んだりする。そもそも犯罪者なのに狙われると「対象者にも権利がある」として警護人がつけられるっていうのは、現行法における弁護人に似ている。この警護人にも「国選」と「私選」があるしね(笑)
 で、玉鉄が執行人で、感情と感覚がないので、撃たれても何も感じない。死ぬまでわからない。確かに、痛みを感じないってのは無敵だね。だって人間って、痛みが恐怖になるんだもん。
 そこへ、自らも仇討ちの相手を持っている代理事務所の女性職員(つぐみ)が絡み、彼女のその相手というのが、かつて彼女1人だけが助かった人体実験爆弾の責任者だった軍人親子。子の方=当時少年兵だったのが、現在の西島君。そして執行人となった玉鉄は、その現場に一緒にいた少年兵、つまり西島君のかつての部下だった…
 しかしなあ。話は先読めちゃうし。その割にはラストぼかしてあってようわからんし。
 あと、やたら銃を撃ってやたら血が出てやたら人が死ぬ話なので、直截的な表現に弱い人、玉鉄ファンじゃない人、原作ファンじゃない人にはお勧めしません。私も、暗い2時間を過ごしてしまいました。
 何かもう、日本映画って、「絵作り」も毎回おんなじだしねー。特に北野映画の影響バレバレっていうか。はいここで赤色を効かせときましょう、とかとか。
 西島君の出ている作品は「dolls」、「帰郷」(片岡礼子さんと共演)とか「海でのはなし。」(スピッツの名曲の数々とコラボしたショートムービー)など、追っかけてますが、今回は特に、彼の演技力が抜群であるだけに惜しい。玉鉄も結構難しい役を頑張ったと思う。
 ただ…余りにももう、日本映画の「こうやったらスタイリッシュでしょ」「カッコイイでしょ」っていうのがどうも飽和状態にあるなあ、ということをあらためて感じた。
 もっと、オリジナリティのあるものが見たいなあ。
 オリジナルに対する模倣者ばかりが増えているのに、売る側はそれに目をつぶっているような気がする。