偶然の灯

 先日読んだ『なにわ華がたり』と、『終の栖 仮の宿』。
 この、全く共通点のない、なさすぎる2冊の本に、ある共通点が。
 それは―――
 「マツダランプ」。
 東芝の前身、と『なにわ―』にはあるが、正確には東芝の電球の名前(しかも由来はゾロアスター教の光の神!!!)だそうだ。
 知らなかった。
 しかし、本当に凄い偶然である。全く何の関わりもないが、偶々同時に借りた2冊の本の中で、「マツダランプ」がそれぞれ重要な役割を果たしているのである。『なにわ―』では、戦後、マツダランプのお得意さんがよく芸人を呼んでいて、そこに1人で参加していた米朝師匠と駒ひかること絹子夫人が出会った、つまり、結びの糸。『終の―』では、芳子17歳の日の一生を決める事件を語る回想シーンで、「マツダランプ 家庭の光 マツダランプ」というCFソング?が使われている。
 正に、何百万分の1の偶然だと思う。