京極夏彦「怪」4編

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 レンタルして、駆け足でしたが観ました〜。
 ってそもそも原作読んでないんで(^^;)、正しい評価なんかできっこないってことでひとつよろしく。
 画面が暗い(^^;)
 今流行りの「スタイリッシュ」な時代劇(いや私はこういうものには反対だけどね)とはむしろ対極にある、泥臭いまでの「じだいげきっ」という映像です。これは、原作者が大変な”時代劇”(昔のですね)ファンであるということもあるようです(詳しくは、『京極夏彦 怪』を読んでね!)。わかるなー。暗いよー。まずとにかく画面が暗いよー。フィルム録りっぽいっていうか。あれフィルムなのかな。わからないけど。CGに頼ってないのもよくわかる。却って生々しくてよかったよね、という時代の映像。
 何だか映像の話ばっかりになっちゃいましたが、原作知らないので他は何とも。でも、原作者がお墨付きしたりそもそも本人出てるし!なだけあって、だったらこっちは文句言えないですよ。
 確かに、DISCASのレビューにあったように、第1話「七人みさき」の冒頭に登場する死体が余りに人形人形してはいるけど、以後は”そういうもの”もちゃんと頑張ってます。「赤面ゑびす」のミイラなんてかなりキモい。
 敵役の役者が見事なまでに濃い人ばっかり、っていうのも、いかにも時代がかった雰囲気を出してますね〜。
 ああそうそう、敵といえば、「いや〜ん」なシーン(あんまり女性向けじゃないってことね♪)も、隠さず抑えず結構やっちゃってるのも昔の時代劇っぽい!(笑)
 昼間に偶然昔の時代劇の再放送なんか見ちゃうと、結構「あら〜」なシーンをちゃんとやっちゃってますよねー。多分昔の時代劇っていうのは、「時代劇」の名の下におとーさんおじーちゃんがどーどーと家族の前でハ○カを拝める番組であり、今よりもずっと、「見ちゃ駄目」とおかーさんが子供を目隠しする機会が多かったのではないかと。(だから話ずれてるって)
 忘れちゃいけない。クライマックスの戦闘シーンがよくできてますね。このへんも、昔の時代劇っぽい。…つまり、今の時代劇がいかに薄っぺらいかってことだけどね。
 夜ってのはちゃんと暗いものだし、敵を倒す前にはいちいちやり方が決まってたり口上があったりするものだし、敵ってのはじりじり追い詰めて(言い換えれば、うんと怖がらせておいて)ズバッと倒すものだし。
 「怪」の要素があるわけだから勧善懲悪だけの物語ではないのだけれど、お約束はちゃんと抑えて泥臭く盛り込んである。
 つまり…
 あ、好みは分かれるのは確かでしょうが、「湿気はぬめぬめ夜はちゃんと真っ暗女はこうやってムフフのフ、勧善懲悪はこうやるのだ!」な、映像でございます。(だからそれだけじゃないっつの)
 キャスト。佐野史郎よし。遠山嬢は、見た目ができすぎててお人形さんみたいですね。って彼女が人形遣いなんだけど。表情に乏しいのですが、殺陣のシーンでは、逆にそれが「無表情のまま敵を惨殺」になるのが良し。田辺誠一。この人あんまり時代劇向きの雰囲気じゃないんだけど、何故かちょくちょく時代劇の仕事が来る。今回は刀での殺陣をしないので安心して観られる。多分原作の又市とも違うんだろうけど、伝法な台詞も意外と違和感がない。私が知っている頃よりは大分色々上手くなったんだろうと思う。