法月綸太郎『犯罪ホロスコープ1六人の女王の問題』(光文社カッパノベルス)

犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題 (カッパ・ノベルス)
犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題 (カッパ・ノベルス)法月 綸太郎

光文社 2008-01-22
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 おーもしろかったっす〜。
 法月綸太郎(通称ノリリン←勝手に)作品は…『怪盗グリフィン、絶対絶命』以来なんで…
 2 年 6 ヶ 月 ぶ り (今調べた)
 いやー。
 その頃からいかにバタバタしてたかってことですね〜。
 特にこの2年。
 いやー…
 (感慨。いろいろあったなあ)
 で、最近ふと思い出し、有栖川有栖作品も新刊を店頭で見つけて、そういや1年かそこらチェックしてなかったよ!と、検索して新刊を何冊か借りてるし、っていう流れで法月作品も探したらあったのね。(新作も新作、最新刊『しらみつぶしの時計』も借りてます)
 いやー。
 面白かったですね。
 星座の神話をモチーフにした6つの短編。12星座の前半、牡羊座から乙女座まで。ちなみに最初に書いておくと、後半も出すつもりではあるけどこの「Ⅰ」は見切り発車だそうです(^^;)。相変わらずやねえ。
 各作品の冒頭で語られる、その星座のルーツとなった神話。そして、まるでその神話をなぞったかのような奇妙な事件が起こる。
 で、面白かったには面白かった…のですが、勿論そんな事件は本当に起こるわけないから、醒めた目で見れば、「いかにも推理小説」なんですよね(笑)
 表紙折り返しの「著者のことば」にも、そのものずばり、
「気楽に読んで愉しめる、そして後にはいっさい何も残さない、そんな娯楽に徹したミステリー集になっているとよいのですが。」
とある通り、狙いはあくまでも「一時の愉しみ」。本当にそうなっています。だからこそ…真面目に考えちゃいけない(笑)
 こんなことあるわけないだろー!と思ったらきりがない。
 推理小説って、本来そういう「娯楽」のかたまりですもん。
 知能のお遊び。重なる偶然も、そういうものだと認めないと話が進まない(笑)
 星座モチーフに合わせるための、言葉遊びやパズルもふんだん。
 読者も一緒になって、リアルは捨てて愉しみましょう。
 実際、面白くて一気に読みたかったのですが、昨日久々に乗った電車の中だけでは読みきれず、今日家で一生懸命読みました。ということは、ストーリーはウソくさい推理小説そのものなんですが、結構ボリュームとか読みではあったってことですね。
 そうそう、この人らしい大仰な言い回しも健在です。「なんとかかんとかかんとかになるとわかっていれば、誰々も後悔しただろう」とか。うーんいかにも推理小説な文体!って感じ。
 ちゃんと「Ⅱ」も出して下さいね、残り6つの星座が気になるから。そうそう、私の星座もまだ出てないしね。

 まあでもホントに、一時期の「最悪の状態」は脱したようで、よかったですね。

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