塙保己一推理帖シリーズ 中津文彦『移り香の秘密 塙保己一推理帖』『つるべ心中の怪 塙保己一推理帖』(光文社) 

移り香の秘密 塙保己一推理帖 (塙保己一推理帖)
移り香の秘密 塙保己一推理帖 (塙保己一推理帖)中津 文彦

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 これがシリーズ第2作で(初めて読んだのが第3作で最終作だった…)、書き忘れてたけど第1作『塙保己一推理帖 観音参りの女』も先日読みました。
 淡々としているのですが人情も色々盛り込まれ、普通に楽しめる推理物。ただ、切ない結末が多いなあ。
 主人公だけに、塙保己一プライヴェートが詳しく書かれており、彼のファンにはたまらないかも。
つるべ心中の怪 塙保己一推理帖
つるべ心中の怪 塙保己一推理帖中津 文彦

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star塙保己一の絶頂期

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 この本は、他の本の巻末の広告で紹介を見て、
「へえ〜ついに『塙保己一』までが探偵として引っ張り出されるのか〜、もう昨今誰でも探偵にされちゃうな〜」
という興味で借りてみたもの。
 途中で、これが第3作であることがわかり(作者注として本文中に書いてある)、へーなかなかいいから第1作第2作を読もう…と思いながら、最後まで読んであとがきを見たら、「これでシリーズは打ち止め」。あらら。
 「あとがき」によれば、作者は、元々推理物を書くというよりは、「塙保己一」という人物を広く紹介し(って、私も、名前は知ってましたが何した人かは忘れてました…かの『群書類従』の人です!!!)、その周辺の人間関係を描くのが目的だったんだそうです。
 なるほど。だから事件が保己一の家族の物語に絡んで起こるのですね。この『つるべ心中の怪』の表題作も、娘の結婚(婿取り)の宴を手伝ってくれた女性が突然心中をしたという事件です。その後も、家族に関わりのある人たちの事件です。
 ガチガチの推理物というよりは、確かに、人情物の側面が強いかもしれません。
 太田南畝も出てきて、彼の役人としての姿が描かれるなど、幕末の足音がそろそろ聞こえ始める時代のお話。『風雲児たち』ファンにも馴染みのある時代です。
 この作者の本を読むのは初めてで、まだ全然作風などはわからないのですが、とりあえず、雰囲気は悪くないので、第1作と第2作も読もうと思います。

 第1作。

塙保己一推理帖―観音参りの女 (カッパ・ノベルス)
塙保己一推理帖―観音参りの女 (カッパ・ノベルス)中津 文彦

光文社 2002-08
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star群書類従』って知ってますか?

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 第2作。
移り香の秘密 塙保己一推理帖 (塙保己一推理帖)
移り香の秘密 塙保己一推理帖 (塙保己一推理帖)中津 文彦

光文社 2006-03-23
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 「観音参りの女」「移り香」など、イロっぽい思わせぶりなサブタイではありますが、作風はあんましイロっぽくはないですな(笑)
 歴史ミステリの人だそうなので、著者の他の作品もちょっと気になります。