倉橋由美子『幻想絵画館』(文藝春秋)

 

幻想絵画館
幻想絵画館倉橋 由美子

文藝春秋 1991-09
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starよもつひらさかへの道

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  「絵と、その絵が出てくる短編」でワンセットの作品の短編集。
 これも「桂子さんシリーズ番外編」で主人公はやはり慧君、かつ、倉橋さんお気に入りの絵の画集。
 洋ものは、パウル・クレーデルヴォーにと、私の好きな画家とかなりかぶったので、絵を見ているだけでも楽しかった。
 でも、和もの(水墨画)に関しては私は全く門外漢なので、それぞれの短編も楽しみきれず残念だった。
 いや〜…興味がないものは、わからないんですよ…でも全部わかれって言われても無理なんで…。
 短編は、どれもやっぱり不思議なお話。慧君のスーパーウルトラ大脳皮質が管理する「ネットワーク」が運営するいくつものサークルというか集まりのメンバーが毎回登場して、絵にまつわる奇妙な物語になる。
 絵を楽しみ、物語にフーンとなり…
 多分、倉橋さんご自身、お好きな絵を紹介する機会が得られて、作品も書けてと、楽しい仕事だったのではないかなあ、なんて、お茶を濁した感想で済みません。
 それにしても、世の中には奇妙で面白い絵が一杯あって、楽しいなあとあらためて思いましたね。