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秘密〔ハヤカワ・ミステリ1833〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
秘密〔ハヤカワ・ミステリ1833〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)青木久惠

早川書房 2010-02-05
売り上げランキング : 29812

おすすめ平均 star
starおもしろい やめられない
starさすがに最後か……
starダルグリッシュにはもう会えないのだろうか?

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 買ってもう2ヶ月ぐらい経ってますね。ずっとデスクの上の本立てに立ててあって、その間に他の本が通り過ぎていきました。
 そこらの本と違うんだよ!(お前がえらそーでどうする)
 今日やっと落ち着いて読む時間が取れたので読みました。P.D.ジェイムズの作品を落ち着いて読まないなんて考えられませんよ。一気読みあるのみです。そしてその、一気読みできる時間を待つことこそ礼儀なのです。5時間ぐらい、途中で仕方なく夕食を挟みましたが、かかりました。でもそうやってでも、1回で最後まで読みたいんですよ。
 それにとにかく、読み始めてしまうこと自体が惜しい。できればそのまま、「いつでも読めるんだ」と思いながら放置しておきたいです。
 だって読んでしまったら、少なくとも2、3年は、次が読めないんですから。
 というか作者が遂に今年90歳の大台に乗ったこともあり、ますます新刊の貴重さは増しているのです。ああああああ。永遠に作者が生きてくれないだろうか。時間が止まらないだろうか。
 『神学校の死』以後、ダルグリッシュ様愛の私には辛い展開が続きます(T_T)(←彼の恋人のどこが彼にとっていいのか全然わからん)。そして前作に続いて今回、遂にそんな私にトドメが刺されました(T_T)。でもしょうがないですかねえ。作者もトシですし。
 前作ラストでも、「もうこれで最終作」となってもいい感じでした。そして今回も。1作1作、余りにも重厚で精緻な大作をものしていながらも、ここ数作は、主人公とその周囲の人物にいつでも最高のシチュエーションを用意して、実に見事な「親離れ」ぶりを見せてくれています。愛しているからこそでしょう。誰にも明日のことはわかりません。
 今作の原書は2008年。その後は推理小説の新作はないそうです。果たして、あるのでしょうか。でも今作のラストは、正に、シリーズ最終作として、作者がダルグリッシュに綺麗にさよならを告げる長い手紙として、本当に素晴らしいものでした。そして作者からこの世の悩める人全てへの遺言のような。
 詳しい話はまた今度。