片付けと収納の本(序)私は何故本気で片付けに取り組んだ(でいる)のか  結論を先に言うと、

「限られた自分の時間を、探し物に費やしたくないから」。

 結婚してからずっと、年末にはちゃんと大片づけも、大掃除もしてきました。力仕事でも1人で。
 なのに何故か、物入れだろうがクロゼットだろうが、何か探すたびにぐちゃぐちゃになりました。
 2005年末には、そろそろ子供が欲しいと思って、クロゼットや物入れをかなり大掛かりに片付け…ました。「汚い家に幸せは来ない」と言う某お掃除女優さんの言葉によってですが(今ではこの人のことも盲信する気はないですけどね…)。
 実際、どこから物が落っこちてくるかわからないような家に(元々そんな家ではなかったですが…)乳幼児は連れて帰れませんよね。それに赤ん坊の世話にはあれこれ細かいものが必要で、それ以外のものが元々整理されていない状態で「子供グッズ」を持ち込んだら、大変なことになるでしょう。なので、とにかく床から物をなくし、必要ないものはなるべく捨てました。
 そして翌2006年末に妊娠、2007年に出産。その年末も、2008年の末も、1人でせっせと片付けました。捨てました。
 なのに。
 元に戻る。 
 どうにかしなくては。
 出産の少し前に、仕事を辞めて主婦になり、家にずっといるようになった頃から、その思いは切実になりました。
 家にいると、日がな一日、家の中を眺めているわけです。
 …他に眺めるもんないですからね(笑)。
 そしてそうなると、家に余りいなかった頃には気にならなかったあれもこれも、あちこちが気になりだす。
 これにはいい面と悪い面があります。
 先に悪い面から言えば、私の場合は、暇に任せてネット通販でお金を使いまくります。働いてる頃は何とも思わなかったスペースに、何か飾る系のものを買ってしまったり。それらは役に立ってはいるものの、あくまでも、なくったっていいものです。
 逆に、いい面と言えば、家の数箇所の収納スペースが、働いていた頃でも自分では「片付けているつもり」だったのが、ずっと家にいてみると、「どうしてこんなに使いにくいの?」と気になる。
 台所も。書斎も。
 家にいるせいで、「ただしまうだけじゃいけない!」と思うようになったのです。
 だから、収納と片付けや、物を捨てることについての本を、この2年ぐらいあれこれ片っ端から図書館にあるだけ読みました。そして、昨年末の片付けは、それまでとは違いました。
 以前の私の収納は、ただ形に合わせて収めるだけだったんですね。整理してあるようで、実は、収められた状態を保てないやり方。何処に何があるのか、本当には把握していない。そのせいで、「二重買い」を、何度やったことか。それに、「こういう時に使うこれこれを、持っていたはずなのに…」。 持っていたはずのものが出てこない。使えない。
 そのストレスがストレスであるということにさえ、家にいない間は気づきませんでした。
 「2009年末の大片付け」を最後にすべく、今年は細かな手直し中です。
 それに、これから更に、子供が幼稚園だの小学校だのに入ると、これまた子供だけの物がどんどん増えるでしょう。。そして思春期を迎えれば、自分だけのスペースが欲しい気持ちも強まるでしょう。偉そうなことを言うようですが、あと10年後に困るより、子供の物が少ない(多いのはおもちゃぐらいで、物凄く重要度の高いものはない)今、しっかりやることを選びました。
 片付けの基礎的な本にも、「ハンパにやらず、時間とお金はある程度まとめてかけても、集中して1度やって、その後ずっと楽をしましょう」という旨が書いてあります。そう、正しい方法でやれば、頑張るのは一度。小手先ばかりしていると、多分ずっと片づけが続くんだろうなあと思います。

 冒頭の結論に戻ると。
 子供がいると自分の時間は少ないです。
 なのに、長い間、「読みたい本が見つからない」…「聴きたいCDがあるけど取り出しにくいからいいや」…
 結局今日もまた、ネットサーフィンで数時間。おやすみなさい。(子供は朝早いので、自分も、布団に入るリミットは繰り下げられない)
 これはストレスだったんですね。物凄いストレス。
 子持ちでなくたって、自分の時間の少ない人にとっては、「やりたいのにできない」「あるのに使えない」ということは…
 大人には、もう、探し物に使っている時間はないんです。
 だから捨てましたよ。片付けましたよ。
 これで読みたい本がすぐ出せます(図書館で借りた本はなくさないよう手元にあるので大丈夫なのですが、自分の本は本棚に詰め込んであったのです)。CDもまあ、ほとんどはPCに取り込んでありますが、以前よりは取り出しやすくなりました。切り抜きやコピーなどの資料も、取り出しやすくまとめました。
 クロゼットも、色々な服をまんべんなく着られるよう片付けて整理しました。これは今も色々考え中ですが。

 本についてのシリーズなので、最初に。
 収納に関する本は腐るほどありますが、まず、「片付けの思想」を書いた本を探して下さい。
 「100均グッズで手作り収納」とか、「使えるテクニック」とかいう類のタイトルの本を先にあれこれ読んだり買わない方がいいです。
 「その人が何を持っているか、どう収納しているか、どう物と付き合っているかは、その人の人生そのものだ」という説は正しいと思います。だとすれば、同じ収納方法が全ての家にあてはまるわけがありません。
 多分、100均グッズを駆使して家のどこか1ヶ所なり数ヶ所なりを完璧に整理収納してみても、基本を知らなければその周囲は乱れたまま、そして完璧に作り上げたはずの収納スペースにも、やがてはまた関係ない物が押し込まれ、ふりだしに戻ります。但し、基本をしっかり理解した上で、個々のお悩みに「テクニック」を使えば大丈夫かもしれません。
 大事なのは基本だと、あれこれ読んでみて納得しました。
 その基本とは、「物との付き合い方」。自分がどういう性格なのか。どういう状態が快適なのか。結局自分自身との付き合い方です。物欲との戦い方とも言うけど(笑)
 自分が何を持っているか把握しているか?何処に何があるかわかっているか?
 スペースに合った分だけ持つという訓練ができているか?
 自分にとって快適な家とはどんなものかわかっているか?
 家族と話し合い、全員で協力できるか?
 エトセトラ…
 そういう、心の問題を最初によーく、自分に問いかけてみて下さい。
 何を問いかけるべきかそのものを教えてくれる本がまず必要なわけです。
 「できない」のは、実は「何が問題なのかさえわかっていない」から。
 私もそうでした。以前の状態には戻りたくないです。
 次の(1)以降の記事で、本当に役に立った本だけご紹介します。